「音楽おんがくの切きっ掛かけは何なんだっけ。
父ちちの持もつレコードだったかな。
音おとを聞きくことは気持きもちが良いい。
聞きくだけなら努力どりょくもいらない。
前置まえおきはいいから話はなそう。
ある時とき、思おもい付ついたんだ。
この歌うたが僕ぼくの物ものになれば、この穴あなは埋うまるだろうか。
だから、僕ぼくは盗ぬすんだ」
嗚呼ああ、まだ足たりない。全部足ぜんぶたりない。
何一なにひとつも満みたされない。
このまま一人ひとりじゃあ僕ぼくは生いきられない。
もっと知しりたい。愛あいを知しりたい。
この心こころを満みたすくらい美うつくしいものを知しりたい。
「ある時ときに、街まちを流ながれる歌うたが僕ぼくの曲きょくだってことに気きが付ついた。
売うれたなんて当あたり前まえさ。
名作めいさくを盗ぬすんだものだからさぁ!
彼奴あいつも馬鹿ばかだ。こいつも馬鹿ばかだ。
褒ほめちぎる奴等やつらは皆馬鹿みんなばかだ。
群むらがる烏合うごうの衆しゅう、本当ほんとうの価値かちなんてわからずに。
まぁ、それは僕ぼくも同おなじか」
嗚呼ああ、何なにかが足たりない。
これだけ盗ぬすんだのに少すこしも満みたされない。
上面うわつらの言葉一ことばひとつじゃ満みたされない。
愛あいが知しりたい。金かねが足たりない。
この妬ねたみを満みたすくらい美うつくしいものを知しりたい。
「音楽おんがくの切きっ掛かけが何なんなのか、今いまじゃもう忘わすれちまったが欲よくじゃないことは覚おぼえてる。
何なにか綺麗きれいなものだったな。
化ばけの皮かわなんていつか剥はがれる。
見向みむきもされない夜よるが来くる。
その時ときに見みられる景色けしきが心底楽しんそこたのしみで。
そうだ。
何一なにひとつもなくなって、地位ちいも愛あいも全部ぜんぶなくなって。
何なにもかも失うしなった後あとに見みえる夜よるは本当ほんとうに綺麗きれいだろうから、本当ほんとうに、本当ほんとうに綺麗きれいだろうから
僕ぼくは盗ぬすんだ」
嗚呼ああ、まだ足たりない。もっと書かきたい。
こんな詩うたじゃ満みたされない。
君きみらの罵倒ばとうじゃあ僕ぼくは満みたされない。
まだ知しらない愛あいを書かきたい。
この心こころを満みたすくらい美うつくしいものを知しりたい。
まだ足たりない。まだ足たりない。
まだ足たりない。まだ足たりない。
まだ足たりない。僕ぼくは足たりない。
ずっと足たりないものがわからない。
まだ足たりない。もっと知しりたい。
この身体からだを溶とかすくらい美うつくしい夜よるを知しりたい。
「音楽ongakuのno切kiっxtu掛kaけはkeha何nanだっけdakke。
父chichiのno持moつtsuレコrekoードdoだったかなdattakana。
音otoをwo聞kiくことはkukotoha気持kimoちがchiga良iいi。
聞kiくだけならkudakenara努力doryokuもいらないmoiranai。
前置maeoきはいいからkihaiikara話hanaそうsou。
あるaru時toki、思omoいi付tsuいたんだitanda。
このkono歌utaがga僕bokuのno物monoになればninareba、このkono穴anaはha埋uまるだろうかmarudarouka。
だからdakara、僕bokuはha盗nusuんだnda」
嗚呼aa、まだmada足taりないrinai。全部足zenbutaりないrinai。
何一nanihitoつもtsumo満miたされないtasarenai。
このままkonomama一人hitoriじゃあjaa僕bokuはha生iきられないkirarenai。
もっとmotto知shiりたいritai。愛aiをwo知shiりたいritai。
このkono心kokoroをwo満miたすくらいtasukurai美utsukuしいものをshiimonowo知shiりたいritai。
「あるaru時tokiにni、街machiをwo流nagaれるreru歌utaがga僕bokuのno曲kyokuだってことにdattekotoni気kiがga付tsuいたita。
売uれたなんてretanante当aたりtari前maeさsa。
名作meisakuをwo盗nusuんだものだからさぁndamonodakarasaa!
彼奴aitsuもmo馬鹿bakaだda。こいつもkoitsumo馬鹿bakaだda。
褒hoめちぎるmechigiru奴等yatsuraはha皆馬鹿minnabakaだda。
群muraがるgaru烏合ugouのno衆syuu、本当hontouのno価値kachiなんてわからずにnantewakarazuni。
まぁmaa、それはsoreha僕bokuもmo同onaじかjika」
嗚呼aa、何naniかがkaga足taりないrinai。
これだけkoredake盗nusuんだのにndanoni少sukoしもshimo満miたされないtasarenai。
上面uwatsuraのno言葉一kotobahitoつじゃtsuja満miたされないtasarenai。
愛aiがga知shiりたいritai。金kaneがga足taりないrinai。
このkono妬netaみをmiwo満miたすくらいtasukurai美utsukuしいものをshiimonowo知shiりたいritai。
「音楽ongakuのno切kiっxtu掛kaけがkega何nanなのかnanoka、今imaじゃもうjamou忘wasuれちまったがrechimattaga欲yokuじゃないことはjanaikotoha覚oboえてるeteru。
何naniかka綺麗kireiなものだったなnamonodattana。
化baけのkeno皮kawaなんていつかnanteitsuka剥haがれるgareru。
見向mimuきもされないkimosarenai夜yoruがga来kuるru。
そのsono時tokiにni見miられるrareru景色keshikiがga心底楽shinsokotanoしみでshimide。
そうだsouda。
何一nanihitoつもなくなってtsumonakunatte、地位chiiもmo愛aiもmo全部zenbuなくなってnakunatte。
何naniもかもmokamo失ushinaったtta後atoにni見miえるeru夜yoruはha本当hontouにni綺麗kireiだろうからdaroukara、本当hontouにni、本当hontouにni綺麗kireiだろうからdaroukara
僕bokuはha盗nusuんだnda」
嗚呼aa、まだmada足taりないrinai。もっとmotto書kaきたいkitai。
こんなkonna詩utaじゃja満miたされないtasarenai。
君kimiらのrano罵倒batouじゃあjaa僕bokuはha満miたされないtasarenai。
まだmada知shiらないranai愛aiをwo書kaきたいkitai。
このkono心kokoroをwo満miたすくらいtasukurai美utsukuしいものをshiimonowo知shiりたいritai。
まだmada足taりないrinai。まだmada足taりないrinai。
まだmada足taりないrinai。まだmada足taりないrinai。
まだmada足taりないrinai。僕bokuはha足taりないrinai。
ずっとzutto足taりないものがわからないrinaimonogawakaranai。
まだmada足taりないrinai。もっとmotto知shiりたいritai。
このkono身体karadaをwo溶toかすくらいkasukurai美utsukuしいshii夜yoruをwo知shiりたいritai。