村むらの入いり口ぐちには紅あかい花はなが咲さいてる
昔むかしから咲さく本当ほんとうの名前なまえは知しらない
今いまは誰だれも憶おぼえてなどいないんだ
もう今いまは誰だれも知しらない
昔むかし 戦いくさがあった時とき 花はなは一度いちど枯かれたけど
今いまは見渡みわたすかぎり赤あかい絨毯じゅうたんのように
何なにもなかったかのように咲さいてる
そう何なにもなかったかのように
人ひとは皆みんな 花はなの美うつくしさに酔よい
かなしい時代じだいは忘わすれたようだ
父ちちを母ははを兄あにを友ともを失うしなったあの戦いくさや
最後さいごに全すべて焼やき尽つくしたあの光ひかりさえも
何なにもかも綺麗きれいさっぱり 忘わすれてしまう幸しあわせの中なかで
みんな暮くらしてるこの村むらでは
あの時とき何なにも起おきなかった そうつまり
何なにもなかった
村むらの入いり口ぐちには小ちいさな石いしの仏ほとけが立たってる
昔むかしからある仏ほとけの名前なまえは知しらない
今いまは誰だれも憶おぼえてなどいないんだ
もう今いまは誰だれも知しらない
忘わすれてはいけない事ことと忘わすれてもかまわない事ことの
境目さかいめでいつもうろたえている
大切たいせつな事ことほど忘わすれ
忘わすれたい事ことほど忘わすれられない
花はなの色いろはいつか移うつろう
楽たのしい時ときほど早はやく過すぎゆく
父ちちを母ははを兄あにを友ともを奪うばわれたあの時とき
さしのべられた誰だれかの手ての温ぬくもりでさえも
何なにもかも綺麗きれいさっぱり 忘わすれてしまう幸しあわせの中なかで
みんな暮くらしてるこの村むらでは
あの時とき何なにも起おきなかった そうつまり
何なにもなかった
村むらの入いり口ぐちには紅あかい花はなが咲さいてる
昔むかしから咲さく本当ほんとうの名前なまえは知しらない
村muraのno入iりri口guchiにはniha紅akaいi花hanaがga咲saいてるiteru
昔mukashiからkara咲saくku本当hontouのno名前namaeはha知shiらないranai
今imaはha誰dareもmo憶oboえてなどいないんだetenadoinainda
もうmou今imaはha誰dareもmo知shiらないranai
昔mukashi 戦ikusaがあったgaatta時toki 花hanaはha一度ichido枯kaれたけどretakedo
今imaはha見渡miwataすかぎりsukagiri赤akaいi絨毯juutanのようにnoyouni
何naniもなかったかのようにmonakattakanoyouni咲saいてるiteru
そうsou何naniもなかったかのようにmonakattakanoyouni
人hitoはha皆minna 花hanaのno美utsukuしさにshisani酔yoいi
かなしいkanashii時代jidaiはha忘wasuれたようだretayouda
父chichiをwo母hahaをwo兄aniをwo友tomoをwo失ushinaったあのttaano戦ikusaやya
最後saigoにni全subeてte焼yaきki尽tsuくしたあのkushitaano光hikariさえもsaemo
何naniもかもmokamo綺麗kireiさっぱりsappari 忘wasuれてしまうreteshimau幸shiawaせのseno中nakaでde
みんなminna暮kuらしてるこのrashiterukono村muraではdeha
あのano時toki何naniもmo起oきなかったkinakatta そうつまりsoutsumari
何naniもなかったmonakatta
村muraのno入iりri口guchiにはniha小chiiさなsana石ishiのno仏hotokeがga立taってるtteru
昔mukashiからあるkaraaru仏hotokeのno名前namaeはha知shiらないranai
今imaはha誰dareもmo憶oboえてなどいないんだetenadoinainda
もうmou今imaはha誰dareもmo知shiらないranai
忘wasuれてはいけないretehaikenai事kotoとto忘wasuれてもかまわないretemokamawanai事kotoのno
境目sakaimeでいつもうろたえているdeitsumourotaeteiru
大切taisetsuなna事kotoほどhodo忘wasuれre
忘wasuれたいretai事kotoほどhodo忘wasuれられないrerarenai
花hanaのno色iroはいつかhaitsuka移utsuろうrou
楽tanoしいshii時tokiほどhodo早hayaくku過suぎゆくgiyuku
父chichiをwo母hahaをwo兄aniをwo友tomoをwo奪ubaわれたあのwaretaano時toki
さしのべられたsashinoberareta誰dareかのkano手teのno温nukuもりでさえもmoridesaemo
何naniもかもmokamo綺麗kireiさっぱりsappari 忘wasuれてしまうreteshimau幸shiawaせのseno中nakaでde
みんなminna暮kuらしてるこのrashiterukono村muraではdeha
あのano時toki何naniもmo起oきなかったkinakatta そうつまりsoutsumari
何naniもなかったmonakatta
村muraのno入iりri口guchiにはniha紅akaいi花hanaがga咲saいてるiteru
昔mukashiからkara咲saくku本当hontouのno名前namaeはha知shiらないranai