1. 療養所歌詞

「療養所」の歌詞 さだまさし

1979/4/10 リリース
作詞
さだまさし
作曲
さだまさし
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病室びょうしつてゆくというのに
こんなにこころおもいとはおもわなかった
きっとそれは
雑居ざっきょ病棟びょうとうのベージュのかべすみ
あのおばあさんががかりなせい

たったいまんだくすりかずさえ
すぐにわすれてしまう彼女かのじょは しかし
夜中よなかぼく毛布もうふをなおすことだけは
かならわすれないでくれた

としともだれもが子供こどもかえってゆくと
ひとうけれどそれは多分たぶんうそ
おもどおりにとべないこころうごかぬ手足てあし
きしめてのこゆめたち

さまざまな人生じんせいいだいた療養所さなとりうむ
やわらかなだまりと かなしいしずけさのなか

病室びょうしつでの話題わだいえば
自分じぶん病気びょうきおもさと人生じんせいおもさ それから
とるにらない噂話うわさばなしをあのひと
いつもだまって笑顔えがおくばかり

ふたつきものながあいだ
彼女かのじょおとずれるひとだれもなかった それは事実じじつ
けれどひとあわれみや同情どうじょう
かたれば それはうそになる

まぎれもなく人生じんせいそのものが病室びょうしつ
ぼくよりさきにきっと彼女かのじょてゆく
しあわ不幸ふしあわせ それはべつにしても
真実しんじつひややかにぎてゆく

さまざまな人生じんせいいだいた療養所さなとりうむ
やわらかなたまりと かなしいしずけさのなか

たったひとつぼくにも出来でき
ほんのささやかな真実しんじつがある それは
わずか一人ひとりだが 彼女かのじょへの見舞客みまいきゃく
来週らいしゅうからなれること