(一)
春はるのうららの隅田川すみだがわ、
のぼりくだりの船人ふなびとが
櫂かいのしづくも花はなと散ちる、
ながめを何なににたとふべき。
(二)
見みずやあけぼの露浴つゆあびて、
われにもの言ゆふ桜木さくらぎを、
見みずや夕ゆうぐれ手てをのべて、
われさしまねく青柳あおやぎを。
(三)
錦にしきおりなす長堤ちょうていに
くるればのぼるおぼろ月づき。
げに一刻いっこくも千金せんきんの
ながめを何なににたとうべき。
(一)
春haruのうららのnourarano隅田川sumidagawa、
のぼりくだりのnoborikudarino船人funabitoがga
櫂kaiのしづくもnoshidukumo花hanaとto散chiるru、
ながめをnagamewo何naniにたとふべきnitatofubeki。
(二)
見miずやあけぼのzuyaakebono露浴tsuyuaびてbite、
われにものwarenimono言yuふfu桜木sakuragiをwo、
見miずやzuya夕yuuぐれgure手teをのべてwonobete、
われさしまねくwaresashimaneku青柳aoyagiをwo。
(三)
錦nishikiおりなすorinasu長堤chouteiにni
くるればのぼるおぼろkururebanoboruoboro月duki。
げにgeni一刻ikkokuもmo千金senkinのno
ながめをnagamewo何naniにたとうべきnitatoubeki。