蒼あおく月映つきうつす水面みなもに漕こぎ出だした
白しろく小ちいさな手ては不器用ぶきように櫂かいを手操たぐり
昏くらく森もりを閉とざすように纏まとう霧きりは深ふかくなる……
辿たどりつきたる岸辺きしべに咲さける花はなは――
鮮あざやかに腐ふすほどに仄甘ほのあまく――
「追憶ついおくノ鎖くさりニ繋つなガレタママ父親にげるものヲ追おイ駈かケ彷徨さまよウガイイ……」
少女惑しょうじょまどワス森もりノ声こえハ奥おくヘト誘さそイ込こム
死しと月明つきあかりにくちづけ踊おどる蝶ちょうは――
鮮あざやかに舞まう程ほどに仄紅ほのあかく――
「追憶ついおくノ揺ゆリ籠かごニ揺ゆラレナガラ望のぞム幻想ゆめニ抱だカレ朽くチ果はテルガイイ……」
――薄うすれゆく意識いしきが見みせた懐なつかしい幼おさなき日ひの幻影まぼろし →
【散ちらばった歪いびつな木片かけらを崩くずさないように積つみ上あげる遊戯ゆうぎ】
← 何度なんども上手うまく積つもうとしたんだ――
そうだ...泣なかないよ...『約束ゆびきり』したから……
蒼aoくku月映tsukiutsuすsu水面minamoにni漕koぎgi出daしたshita
白shiroくku小chiiさなsana手teはha不器用bukiyouにni櫂kaiをwo手操taguりri
昏kuraくku森moriをwo閉toざすようにzasuyouni纏matoうu霧kiriはha深fukaくなるkunaru……
辿tadoりつきたるritsukitaru岸辺kishibeにni咲saけるkeru花hanaはha――
鮮azaやかにyakani腐fuすほどにsuhodoni仄甘honoamaくku――
「追憶tsuiokuノno鎖kusariニni繋tsunaガレタママgaretamama父親nigerumonoヲwo追oイi駈kaケke彷徨samayoウガイイugaii……」
少女惑syoujomadoワスwasu森moriノno声koeハha奥okuヘトheto誘sasoイi込koムmu
死shiとto月明tsukiaかりにくちづけkarinikuchiduke踊odoるru蝶chouはha――
鮮azaやかにyakani舞maうu程hodoにni仄紅honoakaくku――
「追憶tsuiokuノno揺yuリri籠kagoニni揺yuラレナガラrarenagara望nozoムmu幻想yumeニni抱daカレkare朽kuチchi果haテルガイイterugaii……」
――薄usuれゆくreyuku意識ishikiがga見miせたseta懐natsuかしいkashii幼osanaきki日hiのno幻影maboroshi →
【散chiらばったrabatta歪ibitsuなna木片kakeraをwo崩kuzuさないようにsanaiyouni積tsuみmi上aげるgeru遊戯yuugi】
← 何度nandoもmo上手umaくku積tsuもうとしたんだmoutoshitanda――
そうだsouda...泣naかないよkanaiyo...『約束yubikiri』したからshitakara……