お前まえが好すきな花はなが 月つきの庭咲にわさいた
迎むかえの蝙蝠馬車こうもりばしゃに 乗のっておくれ
お父様とうさま 働はたらいて過すぎゆく一日いちにち
疲つかれきった頬ほほに似合にあうドレスはない
水晶すいしょうの指ゆびを 傷きずだらけにして
魔法まほうも失なくしたか 哀あわれなる娘むすめよ
決きめたのはこの私わたし
誰だれの言葉ことばも聞きかず
一度いちどの恋こいの為ために
あのひとを追おってきた
醜みにくい人間にんげんらの
棲すむ場処ばしょに何なにがある
貧まずしくも胸むねに包つつまれた
心こころというものはとても暖あたたかい
お前まえが欲ほしがっていた彗星すいせいのローブを
夜会やかいのために作つくった さあ着きておくれ
煌きらめく宮殿きゅうでんも 雪ゆきの冠かんむりも
恋人こいびとの綺麗きれいな 瞳めほど輝かがやかない
愚おろかなるわが王女おうじょ
我々われわれの仕来しきたりを
破やぶるわけにはゆかぬ
おまえはもう戻もどれない
では背せに隠かくした翅はね
どうぞもいでください
陽ひの光舞ひかりまう空そらを忘わすれ
獣けものの様ように這はって生いきるというのか
許ゆるされはしないでしょう
美うつくしいすべてを捨すて
最初さいしょで最後さいごの恋こい
あのひとだけ信しんじた
それでも時ときの狭間はざま
どうしようもないほどに
今いまは遠とおい日々ひびを想おもい出だす
涙なみだというものは痛いたくて哀かなしい
おo前maeがga好suきなkina花hanaがga 月tsukiのno庭咲niwasaいたita
迎mukaえのeno蝙蝠馬車koumoribasyaにni 乗noっておくれtteokure
おo父様tousama 働hataraいてite過suぎゆくgiyuku一日ichinichi
疲tsukaれきったrekitta頬hohoにni似合niaうuドレスdoresuはないhanai
水晶suisyouのno指yubiをwo 傷kizuだらけにしてdarakenishite
魔法mahouもmo失naくしたかkushitaka 哀awaれなるrenaru娘musumeよyo
決kiめたのはこのmetanohakono私watashi
誰dareのno言葉kotobaもmo聞kiかずkazu
一度ichidoのno恋koiのno為tameにni
あのひとをanohitowo追oってきたttekita
醜minikuいi人間ningenらのrano
棲suむmu場処basyoにni何naniがあるgaaru
貧mazuしくもshikumo胸muneにni包tsutsuまれたmareta
心kokoroというものはとてもtoiumonohatotemo暖atataかいkai
おo前maeがga欲hoしがっていたshigatteita彗星suiseiのnoロroーブbuをwo
夜会yakaiのためにnotameni作tsukuったtta さあsaa着kiておくれteokure
煌kiraめくmeku宮殿kyuudenもmo 雪yukiのno冠kanmuriもmo
恋人koibitoのno綺麗kireiなna 瞳meほどhodo輝kagayaかないkanai
愚oroかなるわがkanaruwaga王女oujo
我々warewareのno仕来shikitaりをriwo
破yabuるわけにはゆかぬruwakenihayukanu
おまえはもうomaehamou戻modoれないrenai
ではdeha背seにni隠kakuしたshita翅hane
どうぞもいでくださいdouzomoidekudasai
陽hiのno光舞hikarimaうu空soraをwo忘wasuれre
獣kemonoのno様youにni這haってtte生iきるというのかkirutoiunoka
許yuruされはしないでしょうsarehashinaidesyou
美utsukuしいすべてをshiisubetewo捨suてte
最初saisyoでde最後saigoのno恋koi
あのひとだけanohitodake信shinじたjita
それでもsoredemo時tokiのno狭間hazama
どうしようもないほどにdoushiyoumonaihodoni
今imaはha遠tooいi日々hibiをwo想omoいi出daすsu
涙namidaというものはtoiumonoha痛itaくてkute哀kanaしいshii