夜気やきを浸ひたす 蓮はすの池いけに
月つきは傾なだれ 留とどまる
生うまれてきて 今いま初はじめて
静寂しじまという 無むを知しったの
あなたの首くびで
やさしく舞まった
この指ゆびは
心こころから生はえて咲さく花はな
溢あふれる水みずも
泥濘ぬかるむ泥どろも
混まじり合あい引ひき合あって
光ひかりを渡わたす
けれどみんな
涸かれてゆくのなら
そこはふたりが
生いきる場ば処しょでは
ないでしょう
わたしにはもう
石畳いしだたみを踏ふむ跫音きょうおんさえない
聞きこえるのは 笑わらうような
碧あおいつぼみ 開ひらいた音おと
あなたの肩かたを
抱だき掻かき抱いだく
この腕うでは
鞘さやのない生身なまみの白刃しらは
恋こいしい人ひとよ
その首くびの根ねに
刻きざみ込こむ 傷きずの痕あと
蓮華れんげの刺青しせい
たとえ来くる世よ
消きえず残のこっても
思おもい出ださずに
見みつけてください
わたしを
あなたの上うえに
頽くずれ燃もえる
この骨ほねは
埋うもれて空そらを見みぬ茎くき
愛いとしい人ひとよ
目覚めざめる間あいだ
紅炎こうえんの夢ゆめを視みる
散華さんげの子宮しきゅう
きっと来くる世よ
出逢であえたときには
思おもい出だすでしょう
あなた次つぎはその腕うでで
殺あやめてください
わたしを
夜気yakiをwo浸hitaすsu 蓮hasuのno池ikeにni
月tsukiはha傾nadaれre 留todoまるmaru
生uまれてきてmaretekite 今ima初hajiめてmete
静寂shijimaというtoiu 無muをwo知shiったのttano
あなたのanatano首kubiでde
やさしくyasashiku舞maったtta
このkono指yubiはha
心kokoroからkara生haえてete咲saくku花hana
溢afuれるreru水mizuもmo
泥濘nukaるむrumu泥doroもmo
混maじりjiri合aいi引hiきki合aってtte
光hikariをwo渡wataすsu
けれどみんなkeredominna
涸kaれてゆくのならreteyukunonara
そこはふたりがsokohafutariga
生iきるkiru場ba処syoではdeha
ないでしょうnaidesyou
わたしにはもうwatashinihamou
石畳ishidatamiをwo踏fuむmu跫音kyouonさえないsaenai
聞kiこえるのはkoerunoha 笑waraうようなuyouna
碧aoいつぼみitsubomi 開hiraいたita音oto
あなたのanatano肩kataをwo
抱daきki掻kaきki抱idaくku
このkono腕udeはha
鞘sayaのないnonai生身namamiのno白刃shiraha
恋koiしいshii人hitoよyo
そのsono首kubiのno根neにni
刻kizaみmi込koむmu 傷kizuのno痕ato
蓮華rengeのno刺青shisei
たとえtatoe来kuるru世yo
消kiえずezu残nokoってもttemo
思omoいi出daさずにsazuni
見miつけてくださいtsuketekudasai
わたしをwatashiwo
あなたのanatano上ueにni
頽kuzuれre燃moえるeru
このkono骨honeはha
埋uもれてmorete空soraをwo見miぬnu茎kuki
愛itoしいshii人hitoよyo
目覚mezaめるmeru間aida
紅炎kouenのno夢yumeをwo視miるru
散華sangeのno子宮shikyuu
きっとkitto来kuるru世yo
出逢deaえたときにはetatokiniha
思omoいi出daすでしょうsudesyou
あなたanata次tsugiはそのhasono腕udeでde
殺ayaめてくださいmetekudasai
わたしをwatashiwo