病的びょうてきに清潔せいけつな牧場まきばの檻おりの一番奥いちばんおくで
羊ひつじは震ふるえていた 顔中かおじゅうに脂汗あぶらあせ浮うかべて
「ああ次つぎは俺おれの番ばんだ きっともうすぐに声こえが掛かかって
先さきに行いったあいつらと 同おなじ所ところへ行いくのさ」
しかし彼かれの予想よそうに反はんして
呼よばれてくのは何故なぜか別べつの奴やつばかり
待まてよ もしや まさかとは思おもうが
俺おれは最初はなから 必要ひつようとされていないのか
残のこり物ものの羊ひつじは ずっと名前なまえを呼よばれない
悲かなしそうにしてみたり あるいは当あたり散ちらしたり
心配しんぱいないよ いつかは 皆みんな呼よばれて行いくんだよ
連つれて行いかれる先さきは 何処どこだか分わかりゃしないが
病的びょうてきに清潔せいけつな牧場まきばの檻おりの一番奥いちばんおくで
羊ひつじは願ねがっていた こんな日ひが続つづけばって
「ああ俺おれはどこへだって 行いきたくない どうか放ほっといてくれ」
気付きづいた頃ころには 檻おりの中なかはひとりだけ
弱々よわよわしく 鳴なき声ごえを上あげる
頭あたまの中なかで トライアンドエラー繰くり返かえす
いっそもう 狂くるった振ふりして
飼育員しいくいん 噛かみ殺ころす したら出でられるのか?
残のこり物ものの羊ひつじは ずっと誰だれかに怯おびえてる
癇癪かんしゃく起おこしたり あるいは泣なき叫さけんだり
大丈夫だいじょうぶだって いつかは きっと命いのちが報むくわれる
それがいつになるかは 誰だれにも分わからないけど
かごめかごめ 何時いつになったら出でてくんの
うっさいな 俺おれだって 本当ほんとうはもう解わかってた
運はこばれた先さきは 動物園どうぶつえんか屠殺場とさつじょうか
どっちだっていいよ 独ひとりはもう耐たえられない
呼よばれない名前なまえを 何度なんども強つよく叫さけんだよ
置おいていかないでくれ 今いまなら話はなしがしたいんだ
檻おりを破やぶる伴ともが どうしても見みつからない
鉄格子てつごうしに噛かみ付ついた音おとが どっかで響ひびいた
病的byoutekiにni清潔seiketsuなna牧場makibaのno檻oriのno一番奥ichibanokuでde
羊hitsujiはha震furuえていたeteita 顔中kaojuuにni脂汗aburaase浮uかべてkabete
「ああaa次tsugiはha俺oreのno番banだda きっともうすぐにkittomousuguni声koeがga掛kaかってkatte
先sakiにni行iったあいつらとttaaitsurato 同onaじji所tokoroへhe行iくのさkunosa」
しかしshikashi彼kareのno予想yosouにni反hanしてshite
呼yoばれてくのはbaretekunoha何故nazeかka別betsuのno奴yatsuばかりbakari
待maてよteyo もしやmoshiya まさかとはmasakatoha思omoうがuga
俺oreはha最初hanaからkara 必要hitsuyouとされていないのかtosareteinainoka
残nokoりri物monoのno羊hitsujiはha ずっとzutto名前namaeをwo呼yoばれないbarenai
悲kanaしそうにしてみたりshisounishitemitari あるいはaruiha当aたりtari散chiらしたりrashitari
心配shinpaiないよnaiyo いつかはitsukaha 皆minna呼yoばれてbarete行iくんだよkundayo
連tsuれてrete行iかれるkareru先sakiはha 何処dokoだかdaka分waかりゃしないがkaryashinaiga
病的byoutekiにni清潔seiketsuなna牧場makibaのno檻oriのno一番奥ichibanokuでde
羊hitsujiはha願negaっていたtteita こんなkonna日hiがga続tsuduけばってkebatte
「ああaa俺oreはどこへだってhadokohedatte 行iきたくないkitakunai どうかdouka放hoっといてくれttoitekure」
気付kiduいたita頃koroにはniha 檻oriのno中nakaはひとりだけhahitoridake
弱々yowayowaしくshiku 鳴naきki声goeをwo上aげるgeru
頭atamaのno中nakaでde トライアンドエラtoraiandoeraー繰kuりri返kaeすsu
いっそもうissomou 狂kuruったtta振fuりしてrishite
飼育員shiikuin 噛kaみmi殺koroすsu したらshitara出deられるのかrarerunoka?
残nokoりri物monoのno羊hitsujiはha ずっとzutto誰dareかにkani怯obiえてるeteru
癇癪kansyaku起oこしたりkoshitari あるいはaruiha泣naきki叫sakeんだりndari
大丈夫daijoubuだってdatte いつかはitsukaha きっとkitto命inochiがga報mukuわれるwareru
それがいつになるかはsoregaitsuninarukaha 誰dareにもnimo分waからないけどkaranaikedo
かごめかごめkagomekagome 何時itsuになったらninattara出deてくんのtekunno
うっさいなussaina 俺oreだってdatte 本当hontouはもうhamou解wakaってたtteta
運hakoばれたbareta先sakiはha 動物園doubutsuenかka屠殺場tosatsujouかka
どっちだっていいよdotchidatteiiyo 独hitoりはもうrihamou耐taえられないerarenai
呼yoばれないbarenai名前namaeをwo 何度nandoもmo強tsuyoくku叫sakeんだよndayo
置oいていかないでくれiteikanaidekure 今imaならnara話hanashiがしたいんだgashitainda
檻oriをwo破yabuるru伴tomoがga どうしてもdoushitemo見miつからないtsukaranai
鉄格子tetsugoushiにni噛kaみmi付tsuいたita音otoがga どっかでdokkade響hibiいたita