ハァーサーサダシタガ アヨーエ
ハァー野越のごえ山越やまごえ 深山越みやまごえ
あの山越やまこえれば紅葉山べにはやま
紅葉こうようの下したには鹿しかがおる
鹿しかがホロホロ 泣ないておる
鹿しかさん鹿しかさん 何故なぜなくの
ハァー私わたしの泣なくのは ほかじゃない
はるか向むこうの 木きの陰かげに
六尺ろくしゃくあまりの狩人かりうどが
五尺二寸ごしゃくにすんの鉄砲てっぽうかつぎ
前まえには赤毛あかげの 犬いぬをつれ
後うしろに黒毛くろげの 犬いぬつれて
ハァーあれにうたれて 死しんだなら
死しぬるこの身みはいとはねど
後あとに残のこりし 妻つまや子こが
どうして月日つきひを送おくるやら
思おもえば涙なみだが おはら先さきにたつ
ハァhaaーサsaーサダシタガsadashitaga アヨayoーエe
ハァhaaー野越nogoえe山越yamagoえe 深山越miyamagoえe
あのano山越yamakoえればereba紅葉山benihayama
紅葉kouyouのno下shitaにはniha鹿shikaがおるgaoru
鹿shikaがgaホロホロhorohoro 泣naいておるiteoru
鹿shikaさんsan鹿shikaさんsan 何故nazeなくのnakuno
ハァhaaー私watashiのno泣naくのはkunoha ほかじゃないhokajanai
はるかharuka向muこうのkouno 木kiのno陰kageにni
六尺rokusyakuあまりのamarino狩人kariudoがga
五尺二寸gosyakunisunのno鉄砲teppouかつぎkatsugi
前maeにはniha赤毛akageのno 犬inuをつれwotsure
後ushiろにroni黒毛kurogeのno 犬inuつれてtsurete
ハァhaaーあれにうたれてareniutarete 死shiんだならndanara
死shiぬるこのnurukono身miはいとはねどhaitohanedo
後atoにni残nokoりしrishi 妻tsumaやya子koがga
どうしてdoushite月日tsukihiをwo送okuるやらruyara
思omoえばeba涙namidaがga おはらohara先sakiにたつnitatsu