富士ふじの高嶺たかねに 降ふる雪ゆきも
京きょうの祇園ぎおんに 降ふる雪ゆきも
いとしあなたの てのひらに
とけて流ながれりゃ おなじこと
ひとめ見みたのが 縁えんとなり
ほどのよいのに ほだされて
憎にくいことばを 交かわすうち
忘わすれられない 人ひととなる
どうかしたかと 背せに手てを
どうもしないと うつむいて
目めにはいっぱい 涙なみだため
あなたしばらく こないから
ぼくがしばらく 来こないとて
短気たんきおこして やけ酒ざけを
呑のんで身体からだを こわすなよ
お前まえひとりの 身みではない
あなたと言いう人ひと できてから
ほかの座敷ざしきが いやになり
まゝままになるなら いちどでも
あなたと呼よんで 暮くらしたい
歌うたはさのさか どどいつか
歌うたの文句もんくじゃ ないけれど
お金かねも着物きものも いらないわ
あなたひとりが 欲ほしいのよ
富士fujiのno高嶺takaneにni 降fuるru雪yukiもmo
京kyouのno祇園gionにni 降fuるru雪yukiもmo
いとしあなたのitoshianatano てのひらにtenohirani
とけてtokete流nagaれりゃrerya おなじことonajikoto
ひとめhitome見miたのがtanoga 縁enとなりtonari
ほどのよいのにhodonoyoinoni ほだされてhodasarete
憎nikuいことばをikotobawo 交kawaすうちsuuchi
忘wasuれられないrerarenai 人hitoとなるtonaru
どうかしたかとdoukashitakato 背seにni手teをwo
どうもしないとdoumoshinaito うつむいてutsumuite
目meにはいっぱいnihaippai 涙namidaためtame
あなたしばらくanatashibaraku こないからkonaikara
ぼくがしばらくbokugashibaraku 来koないとてnaitote
短気tankiおこしてokoshite やけyake酒zakeをwo
呑noんでnde身体karadaをwo こわすなよkowasunayo
おo前maeひとりのhitorino 身miではないdehanai
あなたとanatato言iうu人hito できてからdekitekara
ほかのhokano座敷zashikiがga いやになりiyaninari
まゝmamaになるならninarunara いちどでもichidodemo
あなたとanatato呼yoんでnde 暮kuraしたいshitai
歌utaはさのさかhasanosaka どどいつかdodoitsuka
歌utaのno文句monkuじゃja ないけれどnaikeredo
おo金kaneもmo着物kimonoもmo いらないわiranaiwa
あなたひとりがanatahitoriga 欲hoしいのよshiinoyo