海に化ける 歌詞 花譜 ふりがな付

全すべてを喰くらったというのに
僕ぼくの腹はらは飢うえている
その隙すきに一人ひとり前まえを行いく
あなたは空そらを泳およいでいる
上うえを見上みあげるたびあなたを
思おもい出だしてしまうから
ひどい猫背ねこぜを誤魔化ごまかすよう
そのまま地面じめんに俯うつぶせた
妬ねたみを愛あいを憎にくしみを
言葉ことばを飲のみ込こんで
膨ふくらんだ体からだに
意味いみを見出みいだしたいから
海うみになってしまったのさ
日差ひざしが刺さして
揺ゆれる透すける海辺うみべは僕ぼくの肌はだだ
わかってるんだろう?
なあ 悲かなしさばかりではないのさ
砂すなを食くらって僕ぼくは目めを瞑つむる
夢ゆめや希望きぼうはこれなんだ
やりたいことはこれなんだ
だからあなたを待まっている
貪欲どんよくな顔かおで待まっている
全すべてを喰くらったというのに
僕ぼくの心こころは弱よわっている
こんなにも体からだは大おおきく
膨ふくれ上あがったというのに
反抗期はんこうきなのさ僕ぼくらは
優先ゆうせんするのは心こころだ
景色けしきに値段ねだんがあるのは
子供こどもだから気きづかぬふり
侘わびしさも優やさしさも味あじがした
ひたすら手てを伸のばしてまた飢うえた
全すべてが美うつくしく思おもえるまま
大人おとなになるのは難むずかしかった
そして僕ぼくは過去かこも喰くらった
何なにもかも全部ぜんぶ飲のみ干ほしたなら
大人おとなになれると思おもったのに
生いき急いそぎ膨ふくれた僕ぼくは海うみに
なってしまったのさ
日差ひざしも届とどかない
暗くらく揺ゆれる深海しんかいは僕ぼくの心こころ
居心地いごこちがいいんだよな
寂さびしさばかりではないから
泥どろに浸ひたって僕ぼくは目めを瞑つむる
そうか 海うみになって思おもい出だした
雨あめが好すきなのはあなたが
泣なき虫むしだから
歌うたが好すきなのはあなたも
歌うたが好すきだったから
あなたの心こころを知しりたいと
思おもう自分じぶんが恥はずかしくて
海うみになってしまったのさ
僕ぼくに反射はんしゃして
空そらを泳およぐあなたが泣ないてる理由りゆうが
今いまでもわからないよ
僕ぼくの体からだに響ひびくあなたが
今いまでも愛いとしいよ
あの頃ころに今いまも戻もどりたいよ
いっそ笑わらってくれ
後悔こうかいが沈しずんで
消きえて強つよくなってしまうことが
今いまでも怖こわいんだ
分わかり合あえる日ひがきっと来くる
泳およぎつかれたならば 僕ぼくに沈しずんで
ウグイスが鳴ないても
さよならなんかしてやるかよ
海うみになってあなたを待まっている