役者犬のうた 歌詞 SARD UNDERGROUND ふりがな付

映画えいがの撮影所さつえいじょに 野良犬のらいぬがやって来きた 毎日まいにち 守衛しゅえいさんと 水戸黄門みとこうもんを見みていた
彼かれは 役者やくしゃ志望しぼうでもなかったし 楽たのしみは女優じょゆうさんの 素敵すてきな臭においをかぐことぐらい

ある日ひ 時代劇じだいげきの撮影さつえいで いきなり抜擢ばってきされた もとは野生やせいだから 反射はんしゃ神経しんけいも抜群ばつぐん
近所きんじょの犬いぬたちも 彼かれの出世しゅっせを祝いわってくれ やがて スターになっていった

しかし 犬いぬに会社かいしゃは冷つめたかった うるさいから 処分しょぶんしろと言いってきた
彼かれは リードがイヤで 泣ないただけ 夜よるが淋さみしくて ただ泣ないただけなのに

NaNaNa… NaNaNa… NaNaNa… 役者やくしゃ犬けんのうた

一緒いっしょに暮くらした犬いぬを 手放てばなすなんて出来できない 仕方しかたなく 彼かれを 野生やせいに 戻もどすことにした
琵琶湖びわこで ロケのあとは いつもの 楽たのしい "かくれんぼ"
彼かれが隠かくれてるスキに みんなロケバスに乗のった

悪わるい冗談じょうだんと思おもって 彼かれは不思議ふしぎそうに 見みつめてた
すぐに戻もどると信しんじて 彼かれはロケバスを 待まち続つづけた
胸むねが痛いたむスタッフは 引ひき返かえそうとしたが… 泣なく泣なく 京都きょうとに帰かえって行いった

夕日ゆうひは遠とおく琵琶湖びわこを 琵琶湖びわこを染そめていく
戻もどるはずがないロケバスを 毎日まいにち 毎日まいにち 待まち続つづけた

NaNaNa… NaNaNa… NaNaNa… 役者やくしゃ犬けんのうた

あれから 二に週間しゅうかん 撮影所さつえいじょの雨あめの朝あさ ゲートで泥どろんこの 野良犬のらいぬが震ふるえてた
飢うえと寒さむさで やせ細ほそり 息いきも絶たえ絶だえで ようやく 撮影所さつえいじょに たどり着ついた

よろよろ ゲートから 入場にゅうじょうする姿すがたは まさに撮影所さつえいじょの スターそのものだった
一瞬いっしゅん 目めを疑うたがったスタッフは 泣なき叫さけびながら 駆かけ寄よって 思おもいっきり抱だきしめた

ゴメンな!よう帰かえって来きたな! ホッとしたのか 男おとこの腕うでで
彼かれは 静しずかに目めを閉とじて やがて 冷つめたくなっていった

NaNaNa… NaNaNa… NaNaNa… 役者やくしゃ犬けんのうた

NaNaNa… いつかは そっちに行ゆくから またボール遊あそびをしよう
そこから 涙なみだに溢あふれた 青あおい地球ちきゅうが見みえるかい