何なにを言いうやら 旅鴉たびがらす
息子むすこ気取きどりの 嘘うそっぱち
小銭こぜに目当めあてじゃ ないならば
やくざ姿すがたで やくざ姿すがたでなぜ来きたか
確たしかに私わたしにゃ 江州ごうしゅう阪田さかたに残のこしてきた「忠太郎ちゅうたろう」という息子むすこがいましたよ。
なんでお前まえさんがそのことを知しっているのかわからないが、その子こは五いつつの時ときに死しんだはずだ。お前まえさん、水みず熊ぐまの金かねを狙ねらってのゆすりたかりなら、とっとと帰かえっておくれ!
もしやほんとに 忠太郎ちゅうたろう
訪たずね訪たずねた 旅たび道中どうちゅう
胸むねに抱だきしめ よく来きたと
言いってやりたい 言いってやりたい母ははごころ
ひとり残のこしてきた幼おさない息子むすこのことを、忘わすれたことなどありゃしない。
ああ、どうして置おいてきてしまったんだろう、甘あまえ盛ざかりのあの子こはきっと、
おっかさん、おっかさんと毎日まいにち泣ないて暮くらしたに違ちがいない、すまない、すまない忠太郎ちゅうたろう・・・。だけど私わたしにゃ「お登世とせ」という可愛かわいい一人娘ひとりむすめがいる。風来坊ふうらいぼうのような男おとこが兄あにだなんて、世間せけんに知しられるわけにはいかないんだよ・・・。
店たなと娘むすめを守まもるため
口くちに出でたのは 責せめ言葉ことば
許ゆるしておくれ 忠太郎ちゅうたろう
夢ゆめに見みぬ夜よるは 夢ゆめに見みぬ夜よるはないものを
「忠太郎ちゅうたろう」
何naniをwo言iうやらuyara 旅鴉tabigarasu
息子musuko気取kidoりのrino 嘘usoっぱちppachi
小銭kozeni目当meaてじゃteja ないならばnainaraba
やくざyakuza姿sugataでde やくざyakuza姿sugataでなぜdenaze来kiたかtaka
確tashiかにkani私watashiにゃnya 江州gousyuu阪田sakataにni残nokoしてきたshitekita「忠太郎chuutarou」というtoiu息子musukoがいましたよgaimashitayo。
なんでおnandeo前maeさんがそのことをsangasonokotowo知shiっているのかわからないがtteirunokawakaranaiga、そのsono子koはha五itsuつのtsuno時tokiにni死shiんだはずだndahazuda。おo前maeさんsan、水mizu熊gumaのno金kaneをwo狙neraってのゆすりたかりならttenoyusuritakarinara、とっととtottoto帰kaeっておくれtteokure!
もしやほんとにmoshiyahontoni 忠太郎chuutarou
訪tazuねne訪tazuねたneta 旅tabi道中douchuu
胸muneにni抱daきしめkishime よくyoku来kiたとtato
言iってやりたいtteyaritai 言iってやりたいtteyaritai母hahaごころgokoro
ひとりhitori残nokoしてきたshitekita幼osanaいi息子musukoのことをnokotowo、忘wasuれたことなどありゃしないretakotonadoaryashinai。
ああaa、どうしてdoushite置oいてきてしまったんだろうitekiteshimattandarou、甘amaえe盛zakaりのあのrinoano子koはきっとhakitto、
おっかさんokkasan、おっかさんとokkasanto毎日mainichi泣naいてite暮kuらしたにrashitani違chigaいないinai、すまないsumanai、すまないsumanai忠太郎chuutarou・・・。だけどdakedo私watashiにゃnya「おo登世tose」というtoiu可愛kawaiいi一人娘hitorimusumeがいるgairu。風来坊fuuraibouのようなnoyouna男otokoがga兄aniだなんてdanante、世間sekenにni知shiられるわけにはいかないんだよrareruwakenihaikanaindayo・・・。
店tanaとto娘musumeをwo守mamoるためrutame
口kuchiにni出deたのはtanoha 責seめme言葉kotoba
許yuruしておくれshiteokure 忠太郎chuutarou
夢yumeにni見miぬnu夜yoruはha 夢yumeにni見miぬnu夜yoruはないものをhanaimonowo
「忠太郎chuutarou」