月つきが垂直すいちょくに立たち上あがってる
閉とざされた鉄格子てつごうしの小窓こまどの向むこう
低ひくい屋根瓦やねがわらから物悲ものがなしく
上弦じょうげんの月つきが吠ほえている
一日いちにち四十本よんじゅっぽんのタバコの煙けむりで
砕くだけきしむ私わたしの肋骨ろっこつが折おれるほど
薄うすい胸板むないたを思おもいきりふくらまし
冷酷れいこくな世間せけんの風かぜを吐はき捨すてた
おうおうと私わたしが泣なくから
おうおうと月つきが吠ほえる
叱しかる母ははもなく怒鳴どなる父ちちもなく
帰かえる家いえも壊こわれ沈しずむ時とき
最後さいごの残のこるものは悲鳴ひめいじゃない
弱よわき者ものたちへの瞳まなざしが在ある
さぞかし辛つらかったあの人間ひとたちと
おちょこ一杯いっぱい分ぶんもの塩しおっ辛つらい涙なみだを
私わたしの命いのちと貴方あなたの命いのちで酌くみ交かわせば
五臓六腑ごぞうろっぷに優やさしさがしみる
おうおうと私わたしが泣なくから
おうおうと月つきが吠ほえる
どうか愛いとしき人間ひとよ、ご無事ぶじでいて下ください
どうか恨うらまず憎にくまず悪わるびれず
雲行くもゆきを明日あしたに賭かけて私わたしは行いきます
弱よわき者ものたちへの瞳まなざし在ある場所ばしょへ
おうおうと私わたしが泣なくから
おうおうと月つきが吠ほえる
月tsukiがga垂直suichokuにni立taちchi上aがってるgatteru
閉tozaされたsareta鉄格子tetsugoushiのno小窓komadoのno向muこうkou
低hikuいi屋根瓦yanegawaraからkara物悲monoganaしくshiku
上弦jougenのno月tsukiがga吠hoえているeteiru
一日ichinichi四十本yonjupponのnoタバコtabakoのno煙kemuriでde
砕kudaけきしむkekishimu私watashiのno肋骨rokkotsuがga折oれるほどreruhodo
薄usuいi胸板munaitaをwo思omoいきりふくらましikirifukuramashi
冷酷reikokuなna世間sekenのno風kazeをwo吐haきki捨suてたteta
おうおうとououto私watashiがga泣naくからkukara
おうおうとououto月tsukiがga吠hoえるeru
叱shikaるru母hahaもなくmonaku怒鳴donaるru父chichiもなくmonaku
帰kaeるru家ieもmo壊kowaれre沈shizuむmu時toki
最後saigoのno残nokoるものはrumonoha悲鳴himeiじゃないjanai
弱yowaきki者monoたちへのtachiheno瞳manazashiがga在aるru
さぞかしsazokashi辛tsuraかったあのkattaano人間hitoたちとtachito
おちょこochoko一杯ippai分bunものmono塩shioっxtu辛tsuraいi涙namidaをwo
私watashiのno命inochiとto貴方anataのno命inochiでde酌kuみmi交kaわせばwaseba
五臓六腑gozouroppuにni優yasaしさがしみるshisagashimiru
おうおうとououto私watashiがga泣naくからkukara
おうおうとououto月tsukiがga吠hoえるeru
どうかdouka愛itoしきshiki人間hitoよyo、ごgo無事bujiでいてdeite下kudaさいsai
どうかdouka恨uraまずmazu憎nikuまずmazu悪waruびれずbirezu
雲行kumoyuきをkiwo明日ashitaにni賭kaけてkete私watashiはha行iきますkimasu
弱yowaきki者monoたちへのtachiheno瞳manazashi在aるru場所basyoへhe
おうおうとououto私watashiがga泣naくからkukara
おうおうとououto月tsukiがga吠hoえるeru