燕つばめが低ひくく 空そらを飛とぶ
雨あめが未練みれんを 連つれてくる
何なに年男としおとこを 生いきてても
払はらいきれない 寂さびしさだけは
背中せなかを丸まるめ 裏通うらどおり
くぐる酒場さかばの 縄暖簾なわのれん
誰だれにも見みせない 古傷ふるきずが
飲のめば今夜こんやも あゝああまた疼うずく
男おとこの胸むねの 奥おくの奥おく
なぜか消けせない 女ひとがいる
今頃いまごろどうして いるのやら
おまえ浮うかべる コップの底そこに
小ちいさな店みせに 流ながれるは
やけに昭和しょうわの 恋歌うたばかり
帰かえれやしないさ あの頃ころに
過すぎた昔むかしは あゝああもう遠とおい
吹ふく風かぜ沁しみる 雨あめあがり
これでいいだろ これでいい
見上みあげる明日あしたに 聞きいてみりゃ
笑わらう三日月みかづき あゝああ夜よが更ふける
夜よるが更ふける
燕tsubameがga低hikuくku 空soraをwo飛toぶbu
雨ameがga未練mirenをwo 連tsuれてくるretekuru
何nani年男toshiotokoをwo 生iきててもkitetemo
払haraいきれないikirenai 寂sabiしさだけはshisadakeha
背中senakaをwo丸maruめme 裏通uradooりri
くぐるkuguru酒場sakabaのno 縄暖簾nawanoren
誰dareにもnimo見miせないsenai 古傷furukizuがga
飲noめばmeba今夜konyaもmo あゝaaまたmata疼uzuくku
男otokoのno胸muneのno 奥okuのno奥oku
なぜかnazeka消keせないsenai 女hitoがいるgairu
今頃imagoroどうしてdoushite いるのやらirunoyara
おまえomae浮uかべるkaberu コップkoppuのno底sokoにni
小chiiさなsana店miseにni 流nagaれるはreruha
やけにyakeni昭和syouwaのno 恋歌utaばかりbakari
帰kaeれやしないさreyashinaisa あのano頃koroにni
過suぎたgita昔mukashiはha あゝaaもうmou遠tooいi
吹fuくku風kaze沁shiみるmiru 雨ameあがりagari
これでいいだろkoredeiidaro これでいいkoredeii
見上miaげるgeru明日ashitaにni 聞kiいてみりゃitemirya
笑waraうu三日月mikaduki あゝaa夜yoがga更fuけるkeru
夜yoruがga更fuけるkeru