煙けむりも見みえず 雲くももなく
風かぜもおこらず 浪なみ立たたず
鏡かがみの如ごとき 黄海こうかいは
曇ぐもり染そめたり 時ときの間まに
空そらに知しられぬ 雷かみなりか
浪なみにきらめく 雷光らいこうか
煙けむりは空そらを 立たちこめて
天てんつ日影ひかげも 色いろ暗くらし
戦たたかい今いまか 酣たけなわに
務つとめつくせる 益えき良夫よしおの
尊とうとき血ちもて 甲板かんぱんは
から紅べにに 飾かざりられつ
「まだ沈しずまずや 定さだ遠とうしは」
その言ことの葉はは 短たんかきも
み国くにを思おもう 国民こくみんの
胸むねにぞ永ながく 記しるされむ
皇国こうこくにつくす みいくさの
向むこうところに 敵てきもなく
日ひの大だい御旗みはた うらうらと
東ひがしのうみを 照てらすなり
煙kemuriもmo見miえずezu 雲kumoもなくmonaku
風kazeもおこらずmookorazu 浪nami立taたずtazu
鏡kagamiのno如gotoきki 黄海koukaiはha
曇gumoりri染soめたりmetari 時tokiのno間maにni
空soraにni知shiられぬrarenu 雷kaminariかka
浪namiにきらめくnikirameku 雷光raikouかka
煙kemuriはha空soraをwo 立taちこめてchikomete
天tenつtsu日影hikageもmo 色iro暗kuraしshi
戦tatakaいi今imaかka 酣takenawaにni
務tsutoめつくせるmetsukuseru 益eki良夫yoshioのno
尊toutoきki血chiもてmote 甲板kanpanはha
からkara紅beniにni 飾kazariられつraretsu
「まだmada沈shizuまずやmazuya 定sada遠toushiはha」
そのsono言kotoのno葉haはha 短tanかきもkakimo
みmi国kuniをwo思omoうu 国民kokuminのno
胸muneにぞnizo永nagaくku 記shiruされむsaremu
皇国koukokuにつくすnitsukusu みいくさのmiikusano
向mukoうところにutokoroni 敵tekiもなくmonaku
日hiのno大dai御旗mihata うらうらとuraurato
東higashiのうみをnoumiwo 照teらすなりrasunari