誰だれもいなくなった テニスコートにひとつ
忘わすれ去さられたテニスボールひとつ
まるであの日ひ二人ふたりが置おき去ざりにした
愛あいの様ように折おりからの雨あめに打うたれてた
部屋へやのぬくもりで曇くもった窓まどガラスに
ありもしない家いえの間取まどりを書かいた
無邪気むじゃきなあなたが あの日ひ静しずかに
ふと曇くもった僕ぼくの胸むねにサヨナラと書かいた
軽井沢かるいざわホテルで別わかれた
白樺しらかばが霧きりに滲にじんで消きえた
失なくしてから気付きづくものたちは
かえらない分ぶんだけ悲かなしい
ああ 忘わすれられないのではなくて
あなたを 忘わすれたくないのだ
あなたは今頃いまごろ 何処どこでこの歌うたを
聴きいていてくれるだろうか
あるいはそれとも 思おもい出だすのも
辛つらくて耳みみを塞ふさいでいるかしら
女おんなは自分じぶんが不幸ふこうだと思おもった時ときに
別わかれた人ひとを思おもい出だすと聞きいた
それならばずっと あの愛あいのことは
思おもい出ださずに居いることを 遠とおくで祈いのってる
軽井沢かるいざわホテルの空そらから
雨あめの日ひは思おもい出でが見みえる
どれ程ほど深ふかく刻きざんだ恋こいも
時ときのしずくに けずられてゆく
ああ 愛あいが哀かなしいのではなくて
自分じぶんの こころが哀かなしいのだ
軽井沢かるいざわホテルで別わかれた
白樺しらかばが霧きりに滲にじんで消きえた
ああ 忘わすれられないのではなくて
あなたを 忘わすれたくないのだ
誰dareもいなくなったmoinakunatta テニスコtenisukoートtoにひとつnihitotsu
忘wasuれre去saられたraretaテニスボtenisuboールruひとつhitotsu
まるであのmarudeano日hi二人futariがga置oきki去zaりにしたrinishita
愛aiのno様youにni折oriからのkarano雨ameにni打uたれてたtareteta
部屋heyaのぬくもりでnonukumoride曇kumoったtta窓madoガラスgarasuにni
ありもしないarimoshinai家ieのno間取madoりをriwo書kaいたita
無邪気mujakiなあなたがnaanataga あのano日hi静shizuかにkani
ふとfuto曇kumoったtta僕bokuのno胸muneにniサヨナラsayonaraとto書kaいたita
軽井沢karuizawaホテルhoteruでde別wakaれたreta
白樺shirakabaがga霧kiriにni滲nijiんでnde消kiえたeta
失naくしてからkushitekara気付kiduくものたちはkumonotachiha
かえらないkaeranai分bunだけdake悲kanaしいshii
ああaa 忘wasuれられないのではなくてrerarenainodehanakute
あなたをanatawo 忘wasuれたくないのだretakunainoda
あなたはanataha今頃imagoro 何処dokoでこのdekono歌utaをwo
聴kiいていてくれるだろうかiteitekurerudarouka
あるいはそれともaruihasoretomo 思omoいi出daすのもsunomo
辛tsuraくてkute耳mimiをwo塞fusaいでいるかしらideirukashira
女onnaはha自分jibunがga不幸fukouだとdato思omoったtta時tokiにni
別wakaれたreta人hitoをwo思omoいi出daすとsuto聞kiいたita
それならばずっとsorenarabazutto あのano愛aiのことはnokotoha
思omoいi出daさずにsazuni居iることをrukotowo 遠tooくでkude祈inoってるtteru
軽井沢karuizawaホテルhoteruのno空soraからkara
雨ameのno日hiはha思omoいi出deがga見miえるeru
どれdore程hodo深fukaくku刻kizaんだnda恋koiもmo
時tokiのしずくにnoshizukuni けずられてゆくkezurareteyuku
ああaa 愛aiがga哀kanaしいのではなくてshiinodehanakute
自分jibunのno こころがkokoroga哀kanaしいのだshiinoda
軽井沢karuizawaホテルhoteruでde別wakaれたreta
白樺shirakabaがga霧kiriにni滲nijiんでnde消kiえたeta
ああaa 忘wasuれられないのではなくてrerarenainodehanakute
あなたをanatawo 忘wasuれたくないのだretakunainoda