盲めしいた詩人しじんはいつも ザボン口ぐちに運はこび乍ながら
想おもい出でたどる様ように 見みえない目めを開ひらいて
静しずかに海うみを観みてた
幻まぼろしの国くにの事ことを まるで故郷こきょうを語かたる様ように
道程みちのりについて 風景ふうけいについて
優やさしく僕ぼくに話はなした
有明ありあけの空そらの雲くもだけが
あの人ひとの寂さびしさを知しっていた
そう弥生やよいの風かぜに 追おわれる様ように
あなたが逝いった 晩ばんに
眠ねむれないまま息いきを密みつめて
不思議ふしぎな夢ゆめを観みた
雲仙やまは噴煙けむりを吐はいて 霧きりは針摺瀬戸かいきょうを包つつみ込こんで
異国いこくの便たより乗のせた 小ちいさな舟ふねがひとつ
静しずかにすべってくる
盲めしいた詩人しじんがひとり その小舟こぶねに座すわっている
得意とくいの笑顔えがおみせて はにかむ様ようにじっと
静しずかに海うみを観みてる
有明ありあけの海うみに風かぜが吹ふく
あの人ひとを追おいかけて夢ゆめが吹ふく
ああ悲かなしい程ほどに 焦こがれ続つづけた
幻まぼろしの人ひとが 今いま
きっとあなたを抱だきしめている
不思議ふしぎな夢ゆめを観みた
盲meshiいたita詩人shijinはいつもhaitsumo ザボンzabon口guchiにni運hakoびbi乍nagaらra
想omoいi出deたどるtadoru様youにni 見miえないenai目meをwo開hiraいてite
静shizuかにkani海umiをwo観miてたteta
幻maboroshiのno国kuniのno事kotoをwo まるでmarude故郷kokyouをwo語kataるru様youにni
道程michinoriについてnitsuite 風景fuukeiについてnitsuite
優yasaしくshiku僕bokuにni話hanaしたshita
有明ariakeのno空soraのno雲kumoだけがdakega
あのano人hitoのno寂sabiしさをshisawo知shiっていたtteita
そうsou弥生yayoiのno風kazeにni 追oわれるwareru様youにni
あなたがanataga逝iったtta 晩banにni
眠nemuれないままrenaimama息ikiをwo密mitsuめてmete
不思議fushigiなna夢yumeをwo観miたta
雲仙yamaはha噴煙kemuriをwo吐haいてite 霧kiriはha針摺瀬戸kaikyouをwo包tsutsuみmi込koんでnde
異国ikokuのno便tayoりri乗noせたseta 小chiiさなsana舟funeがひとつgahitotsu
静shizuかにすべってくるkanisubettekuru
盲meshiいたita詩人shijinがひとりgahitori そのsono小舟kobuneにni座suwaっているtteiru
得意tokuiのno笑顔egaoみせてmisete はにかむhanikamu様youにじっとnijitto
静shizuかにkani海umiをwo観miてるteru
有明ariakeのno海umiにni風kazeがga吹fuくku
あのano人hitoをwo追oいかけてikakete夢yumeがga吹fuくku
ああaa悲kanaしいshii程hodoにni 焦koがれgare続tsuduけたketa
幻maboroshiのno人hitoがga 今ima
きっとあなたをkittoanatawo抱daきしめているkishimeteiru
不思議fushigiなna夢yumeをwo観miたta