冬ふゆのしたくに さてもうひと仕事しごと
日暮ひぐれの庭にわで薪たきぎを割わる
軒のきに吊つるした干ほし柿がき赤あかく熟うれ
道みち行いく人ひとの息いき白しろく
人ひとは生いきてゆく生いきねばならぬ
だから吐息といきで指ゆび温あたためて
陽ひのあるうちに此処ここで冬ふゆじたく
今年ことし初はじめて焚たいたストーブの傍そば
病やまいの友ともへ便たより書かく
春はるに逢あおうとただそれだけ書かいて
あとは桜さくらの花はな描えがく
人ひとは老おいてゆく老おいねばならぬ
やっと静しずかになれたのだから
木枯こがらし聞きいて此処ここで冬ふゆじたく
名刺めいしの肩書かたがき黒くろくペンで塗ぬり消けし
笑わらって差さし出だす人ひとがいた
挨拶あいさつがわりに庭にわの隅すみの畑はたけの
とれたてジャガイモおすそ分わけ
人ひとは降おりてゆく降おりねばならぬ
無事ぶじに降おりれば登のぼった山やまを
麓ふもとで見上みあげて私わたし冬ふゆじたく
此処ここで冬ふゆじたく
冬fuyuのしたくにnoshitakuni さてもうひとsatemouhito仕事shigoto
日暮higuれのreno庭niwaでde薪takigiをwo割waるru
軒nokiにni吊tsuるしたrushita干hoしshi柿gaki赤akaくku熟uれre
道michi行iくku人hitoのno息iki白shiroくku
人hitoはha生iきてゆくkiteyuku生iきねばならぬkinebanaranu
だからdakara吐息toikiでde指yubi温atataめてmete
陽hiのあるうちにnoaruuchini此処kokoでde冬fuyuじたくjitaku
今年kotoshi初hajiめてmete焚taいたitaストsutoーブbuのno傍soba
病yamaiのno友tomoへhe便tayoりri書kaくku
春haruにni逢aおうとただそれだけoutotadasoredake書kaいてite
あとはatoha桜sakuraのno花hana描egaくku
人hitoはha老oいてゆくiteyuku老oいねばならぬinebanaranu
やっとyatto静shizuかになれたのだからkaninaretanodakara
木枯kogaらしrashi聞kiいてite此処kokoでde冬fuyuじたくjitaku
名刺meishiのno肩書katagaきki黒kuroくkuペンpenでde塗nuりri消keしshi
笑waraってtte差saしshi出daすsu人hitoがいたgaita
挨拶aisatsuがわりにgawarini庭niwaのno隅sumiのno畑hatakeのno
とれたてtoretateジャガイモjagaimoおすそosuso分waけke
人hitoはha降oりてゆくriteyuku降oりねばならぬrinebanaranu
無事bujiにni降oりればrireba登noboったtta山yamaをwo
麓fumotoでde見上miaげてgete私watashi冬fuyuじたくjitaku
此処kokoでde冬fuyuじたくjitaku