月つきの出でを合図あいずに 船ふねをこぎ出だして
今いま、水面みなもを駆かけて 君きみのもとへと
燃もゆるおもひで 櫓やぐらをこげば
ほほうつ風かぜさへ 心こころに甘あまい
明日あすの朝あさ嫁とついで 都みやこへ行いく私わたし
今いま、命いのちをかけて 貴男あなたのそばへ
無駄むだに過すごした 年月ねんげつを
今いまこそつかむと 手てを合あわせる
あの橋はしのたもとで 木陰こかげに身みを寄よせて
今いま、すべてを捨すてて 君きみは待まつのに
はやる心こころと うらはらに
涙なみだで見送みおくる 母ははを許ゆるせよ
女おんなの幸福しあわせは 心こころを捧ささげた
恋こいしいお方かたの たった一言ひとこと
世間せけんも親おやも 何なにもかも
振ふり捨すて 生いきると心こころに誓ちかう
神かみよ心こころあらば 二人ふたりの行いく先さきを
せめてそっと照てらして 守まもっておくれ
都忘みやこわすれの花はなのように
ひそかに かくれて 生いきてゆきたい
月tsukiのno出deをwo合図aizuにni 船funeをこぎwokogi出daしてshite
今ima、水面minamoをwo駆kaけてkete 君kimiのもとへとnomotoheto
燃moゆるおもひでyuruomohide 櫓yaguraをこげばwokogeba
ほほうつhohoutsu風kazeさへsahe 心kokoroにni甘amaいi
明日asuのno朝asa嫁totsuいでide 都miyakoへhe行iくku私watashi
今ima、命inochiをかけてwokakete 貴男anataのそばへnosobahe
無駄mudaにni過suごしたgoshita 年月nengetsuをwo
今imaこそつかむとkosotsukamuto 手teをwo合aわせるwaseru
あのano橋hashiのたもとでnotamotode 木陰kokageにni身miをwo寄yoせてsete
今ima、すべてをsubetewo捨suててtete 君kimiはha待maつのにtsunoni
はやるhayaru心kokoroとto うらはらにuraharani
涙namidaでde見送miokuるru 母hahaをwo許yuruせよseyo
女onnaのno幸福shiawaseはha 心kokoroをwo捧sasaげたgeta
恋koiしいおshiio方kataのno たったtatta一言hitokoto
世間sekenもmo親oyaもmo 何naniもかもmokamo
振fuりri捨suてte 生iきるとkiruto心kokoroにni誓chikaうu
神kamiよyo心kokoroあらばaraba 二人futariのno行iくku先sakiをwo
せめてそっとsemetesotto照teらしてrashite 守mamoっておくれtteokure
都忘miyakowasuれのreno花hanaのようにnoyouni
ひそかにhisokani かくれてkakurete 生iきてゆきたいkiteyukitai