最後の宿題 歌詞 cali≠gari ふりがな付

夏なつの終おわり。
僕ぼくたちは旅たびをする。
初はじめての悪戯いたずら、そう、怖こわい旅たびだ。
時間じかんが約束やくそくを刻きざんで攫さらい、
僕ぼくたちは大人おとなになる。

今いまにして思おもえば、不自然ふしぜんで居心地いごこちの良いい距離きょり。
その日ひがいつだったかはもう覚おぼえていない。
だから、知しらない振ふりで過すごす、そんな毎日まいにち。
知しる事ことが怖こわかった。

蔦つたの絡からまる雑居ざっきょビル。
青あおく! 碧あおく!
空そらと君きみと僕ぼくだけの場所ばしょで、
共犯者きょうはんしゃたちは手てを翳かざす。

夏なつの終おわり。
僕ぼくたちは旅たびをする。
後あとには引ひけない、そう、怖こわい旅たびだ。
言葉ことばだけじゃ足たりない。
焦こがれる想おもいに、
僕ぼくたちは大人おとなになる。

例たとえばその日ひは前触まえぶれも無なく、唐突とうとつに訪おとずれる。
『怖こわいよ。でも、待まってる。』
外そとは夜よると朝あさが貪むさぼり合あっていた。
僕ぼくは、ただ、走はしった。

非常ひじょう階段かいだん、駆かけ上あがる。
高たかく! 早はやく!
汗あせばむシャツで風かぜを抱だいたら、
不意ふいに奪うばわれて―――――僕ぼくたちは接吻せっぷんをした。

夏なつの終おわりは僕ぼくたちをおかしくさせる薬くすりなんです。
駄目だめなんです。
汚よごれることが美うつくしいと教おしえてくれた紫むらさきの夜明よあけ前まえ。
最後さいごの宿題しゅくだい。

夏なつの終おわり。
僕ぼくたちは旅たびをする。
薄暗うすぐらい無邪気むじゃき、そう、怖こわい旅たびだ。
惰弱だじゃくな約束やくそくが薄弱はくじゃくを誘さそい、
僕ぼくたちは―――――。

夏なつの終おわり。
僕ぼくたちは旅たびをする。
初はじめての悪戯いたずら、そう、怖こわい旅たびだ。
時間じかんが約束やくそくを刻きざんで攫さらい、
僕ぼくたちは大人おとなになる。

僕ぼくたちが大人おとなになる。

青春せいしゅんとは罪つみ無なき犯罪はんざいの日々ひびです。
今いまは昔むかし、変かわらぬ群像ぐんぞう劇げき―――――。