ある夜よるひとりで火鉢ひばちに手てをかざし
くもった空気くうきの部屋へやのうち
あわれ ああ いまだに生いき残のこる
はかなき虫むしの鳴なき声ごえと共ともにいた
ああ ひとり動うごかず部屋へやにいた
ある秋あきの夜長よながに
過すぎたる月日つきひも若わかきこの身みには惜おしくはないけれど
残のこった余生よせいには希望きぼうを持もとうか
老おいたる姿すがたは若わかきこの俺おれの懐なつかしい姿すがたよ
いずれは死しぬる身みの懐なつかしい遊あそびよ
日々ひびのくらしに背中せなかをつつかれて
それでも生いきようか 死しぬまでは……
ある秋あきの夜よる ひとりで火鉢ひばちを抱だき
くもった部屋へやの空気くうきで息いきをした
いまだに死しねぬ哀あわれなる虫むしの音ねと
秋あきの夜長よながを共ともに遊あそんでいた
ああ ひとり動うごかず部屋へやにいた
ある秋あきの夜長よながに
あるaru夜yoruひとりでhitoride火鉢hibachiにni手teをかざしwokazashi
くもったkumotta空気kuukiのno部屋heyaのうちnouchi
あわれaware ああaa いまだにimadani生iきki残nokoるru
はかなきhakanaki虫mushiのno鳴naきki声goeとto共tomoにいたniita
ああaa ひとりhitori動ugoかずkazu部屋heyaにいたniita
あるaru秋akiのno夜長yonagaにni
過suぎたるgitaru月日tsukihiもmo若wakaきこのkikono身miにはniha惜oしくはないけれどshikuhanaikeredo
残nokoったtta余生yoseiにはniha希望kibouをwo持moとうかtouka
老oいたるitaru姿sugataはha若wakaきこのkikono俺oreのno懐natsuかしいkashii姿sugataよyo
いずれはizureha死shiぬるnuru身miのno懐natsuかしいkashii遊asoびよbiyo
日々hibiのくらしにnokurashini背中senakaをつつかれてwotsutsukarete
それでもsoredemo生iきようかkiyouka 死shiぬまではnumadeha……
あるaru秋akiのno夜yoru ひとりでhitoride火鉢hibachiをwo抱daきki
くもったkumotta部屋heyaのno空気kuukiでde息ikiをしたwoshita
いまだにimadani死shiねぬnenu哀awaれなるrenaru虫mushiのno音neとto
秋akiのno夜長yonagaをwo共tomoにni遊asoんでいたndeita
ああaa ひとりhitori動ugoかずkazu部屋heyaにいたniita
あるaru秋akiのno夜長yonagaにni