電源でんげんつけると夏なつの高校野球こうこうやきゅう
この部屋へやとあの場所ばしょの温度差おんどさを想像そうぞうする
開あけた発泡酒はっぽうしゅの缶かんは転ころがり
エアコンの室外機しつがいきと共ともにアルコールが回まわる
五本目ごほんめのプシュを迎むかえたあたりで試合終了しあいしゅうりょう
膝ひざから崩くずれ落おちるラストバッター
グランドに落おちていく一筋ひとすじの涙なみだ
そしてそれを見みて流ながれた俺おれの一筋ひとすじの涙なみだ
「おい,あの涙なみだとその涙なみだ,一緒いっしょにすんなよ」
誰だれかの声こえが聞きこえた 確たしかに
薄気味悪うすきみわるくなって消けしたテレビ
そしたら真まっ暗あんになった画面がめんの中なかに
よく知しる男おとこの顔かおが映うつった
すぐに声こえの主ぬしはこいつだってわかった
画面越がめんごしのそいつは
怒おこってるような嗤わらってるような哀あわれんでるような顔かおしてた
なんだか無償むしょうに胸むねが騒さわいで
お前まえに何なにがわかるんだって怒鳴どなった
「俺おれには全部ぜんぶわかるよ」
ってそいつは応こたえた
「じゃあ何なんでこうなった?」
「どこで間違まちがった?」
何度なんども何度なんども問といかけた
何度なんども何度なんども爪つめを突つき立たてた
朝日あさひが登のぼる頃ころに質問しつもんは尽つきて
なおも睨にらみ付つける俺おれをみてそいつは言いったんだ
「俺おれだけはお前まえを見放みはなしたりしないよ だから…」
そう言いい放はなった瞬間しゅんかんにそいつは泣なき崩くずれた
子供こどもみたいに無様ぶざまに
情なさけなくも目めも当あてられない程ほどに だけど
いくら鈍感どんかんな俺おれでもそれが
本当ほんとうの涙なみだだって事ことだけは わかった
落おとした雫しずくの先さきにあったのは決意表明けついひょうめい
なんてかっこいいもんじゃない
必死ひっしで 必死ひっしで 絞しぼり出だした
その声こえは その声こえは
「お願ねがいです どうかお願ねがいです
贅沢ぜいたくは言いいません
金かねも 地位ちいも 名誉めいよもいりません
だから どうか どうか
俺おれの 俺おれだけの ドラマを下ください」
ある日ひの仕事終しごとおわりの帰かえり道みち
夜空よぞらを見上みあげた
一番星以外いちばんぼしいがいの星ほしの輝かがやきに救すくわれた
いつか夢見ゆめみたダイヤモンドの輝かがやきとは違ちがくとも俺おれは
この日々ひびを この毎日まいにちを
愛あいしていくんだ
怯おびえながらでも飛とび込こんで行いった爪先つまさき
そこが田たんぼ道みち 高層こうそうビルなんであれ街まちは
変かわらず俺おれに脇役わきやくを押おし付つけてくる
夏なつが終おわり 秋あきが近ちかづく 肌寒はださむい季節きせつ
それでも静しずかに燃もえ上あがる場所ばしょはどこだ
外そとの空気くうきと胸むねの内側うちがわの温度差おんどさを
想像そうぞうする そこから僅わずかでも暖だんを取とる
容赦ようしゃなく陽ひは沈しずみ 昨日きのうと同おなじく闇やみが襲おそい来くる
誰だれの目めにも影かげは差さし込こむその中なかで
何度なんどでも狂くるい咲さく太陽たいよう
生いきていく
電源dengenつけるとtsukeruto夏natsuのno高校野球koukouyakyuu
このkono部屋heyaとあのtoano場所basyoのno温度差ondosaをwo想像souzouするsuru
開aけたketa発泡酒happousyuのno缶kanはha転koroがりgari
エアコンeakonのno室外機shitsugaikiとto共tomoにniアルコarukoールruがga回mawaるru
五本目gohonmeのnoプシュpusyuをwo迎mukaえたあたりでetaataride試合終了shiaisyuuryou
膝hizaからkara崩kuzuれre落oちるchiruラストバッタrasutobattaー
グランドgurandoにni落oちていくchiteiku一筋hitosujiのno涙namida
そしてそれをsoshitesorewo見miてte流nagaれたreta俺oreのno一筋hitosujiのno涙namida
「おいoi,あのano涙namidaとそのtosono涙namida,一緒issyoにすんなよnisunnayo」
誰dareかのkano声koeがga聞kiこえたkoeta 確tashiかにkani
薄気味悪usukimiwaruくなってkunatte消keしたshitaテレビterebi
そしたらsoshitara真maっxtu暗anになったninatta画面gamenのno中nakaにni
よくyoku知shiるru男otokoのno顔kaoがga映utsuったtta
すぐにsuguni声koeのno主nushiはこいつだってわかったhakoitsudattewakatta
画面越gamengoしのそいつはshinosoitsuha
怒okoってるようなtteruyouna嗤waraってるようなtteruyouna哀awaれんでるようなrenderuyouna顔kaoしてたshiteta
なんだかnandaka無償musyouにni胸muneがga騒sawaいでide
おo前maeにni何naniがわかるんだってgawakarundatte怒鳴donaったtta
「俺oreにはniha全部zenbuわかるよwakaruyo」
ってそいつはttesoitsuha応kotaえたeta
「じゃあjaa何nanでこうなったdekounatta?」
「どこでdokode間違machigaったtta?」
何度nandoもmo何度nandoもmo問toいかけたikaketa
何度nandoもmo何度nandoもmo爪tsumeをwo突tsuきki立taてたteta
朝日asahiがga登noboるru頃koroにni質問shitsumonはha尽tsuきてkite
なおもnaomo睨niraみmi付tsuけるkeru俺oreをみてそいつはwomitesoitsuha言iったんだttanda
「俺oreだけはおdakehao前maeをwo見放mihanaしたりしないよshitarishinaiyo だからdakara…」
そうsou言iいi放hanaったtta瞬間syunkanにそいつはnisoitsuha泣naきki崩kuzuれたreta
子供kodomoみたいにmitaini無様buzamaにni
情nasaけなくもkenakumo目meもmo当aてられないterarenai程hodoにni だけどdakedo
いくらikura鈍感donkanなna俺oreでもそれがdemosorega
本当hontouのno涙namidaだってdatte事kotoだけはdakeha わかったwakatta
落oとしたtoshita雫shizukuのno先sakiにあったのはniattanoha決意表明ketsuihyoumei
なんてかっこいいもんじゃないnantekakkoiimonjanai
必死hisshiでde 必死hisshiでde 絞shiboりri出daしたshita
そのsono声koeはha そのsono声koeはha
「おo願negaいですidesu どうかおdoukao願negaいですidesu
贅沢zeitakuはha言iいませんimasen
金kaneもmo 地位chiiもmo 名誉meiyoもいりませんmoirimasen
だからdakara どうかdouka どうかdouka
俺oreのno 俺oreだけのdakeno ドラマdoramaをwo下kudaさいsai」
あるaru日hiのno仕事終shigotooわりのwarino帰kaeりri道michi
夜空yozoraをwo見上miaげたgeta
一番星以外ichibanboshiigaiのno星hoshiのno輝kagayaきにkini救sukuわれたwareta
いつかitsuka夢見yumemiたtaダイヤモンドdaiyamondoのno輝kagayaきとはkitoha違chigaくともkutomo俺oreはha
このkono日々hibiをwo このkono毎日mainichiをwo
愛aiしていくんだshiteikunda
怯obiえながらでもenagarademo飛toびbi込koんでnde行iったtta爪先tsumasaki
そこがsokoga田taんぼnbo道michi 高層kousouビルbiruなんであれnandeare街machiはha
変kaわらずwarazu俺oreにni脇役wakiyakuをwo押oしshi付tsuけてくるketekuru
夏natsuがga終oわりwari 秋akiがga近chikaづくduku 肌寒hadasamuいi季節kisetsu
それでもsoredemo静shizuかにkani燃moえe上aがるgaru場所basyoはどこだhadokoda
外sotoのno空気kuukiとto胸muneのno内側uchigawaのno温度差ondosaをwo
想像souzouするsuru そこからsokokara僅wazuかでもkademo暖danをwo取toるru
容赦yousyaなくnaku陽hiはha沈shizuみmi 昨日kinouとto同onaじくjiku闇yamiがga襲osoいi来kuるru
誰dareのno目meにもnimo影kageはha差saしshi込koむそのmusono中nakaでde
何度nandoでもdemo狂kuruいi咲saくku太陽taiyou
生iきていくkiteiku