つかみかけた 熱あつい腕うでを
ふりほどいて君きみは出でてゆく
わずかに震ふるえる 白しろいガウンに
君きみの年老としおいた 悲かなしみを見みた
リングに向むかう 長ながい廊下ろうかで
何故なぜだか急きゅうに 君きみは立止たちどまり
ふりむきざまに 俺おれにこぶしを見みせて
寂さびしそうに笑わらった
やがてリングと 拍手はくしゅの渦うずが
ひとりの男おとこを のみこんで行いった
立たち上あがれ もう一度いちどその足あしで
立たち上あがれ 命いのちの炎ほのお燃もやせ
君きみはついに 立たち上あがった
血ちに染そまった 赤あかいマットに
わずかに開ひらいた 君きみの両目りょうめに
光ひかる涙なみだが 何なにかを語かたった
獣けもののように 挑戦者ちょうせんしゃは
おそいかかる 若わかい力ちからで
やがて君きみは 静しずかに倒たおれて落おちた
疲つかれて眠ねむるように
わずかばかりの 意識いしきの中なかで
君きみは何なにを 考かんがえたのか
立たたないで もうそれで充分じゅうぶんだ
おお神かみよ 彼かれを救すくいたまえ
ロッカールームの ベンチで君きみは
切きれたくちびるで そっとつぶやいた
帰かえれるんだ これでただの男おとこに
帰かえれるんだ これで帰かえれるんだ
ライラライ ラライ……
つかみかけたtsukamikaketa 熱atsuいi腕udeをwo
ふりほどいてfurihodoite君kimiはha出deてゆくteyuku
わずかにwazukani震furuえるeru 白shiroいiガウンgaunにni
君kimiのno年老toshioいたita 悲kanaしみをshimiwo見miたta
リングringuにni向muかうkau 長nagaいi廊下roukaでde
何故nazeだかdaka急kyuuにni 君kimiはha立止tachidoまりmari
ふりむきざまにfurimukizamani 俺oreにこぶしをnikobushiwo見miせてsete
寂sabiしそうにshisouni笑waraったtta
やがてyagateリングringuとto 拍手hakusyuのno渦uzuがga
ひとりのhitorino男otokoをwo のみこんでnomikonde行iったtta
立taちchi上aがれgare もうmou一度ichidoそのsono足ashiでde
立taちchi上aがれgare 命inochiのno炎honoo燃moやせyase
君kimiはついにhatsuini 立taちchi上aがったgatta
血chiにni染soまったmatta 赤akaいiマットmattoにni
わずかにwazukani開hiraいたita 君kimiのno両目ryoumeにni
光hikaるru涙namidaがga 何naniかをkawo語kataったtta
獣kemonoのようにnoyouni 挑戦者chousensyaはha
おそいかかるosoikakaru 若wakaいi力chikaraでde
やがてyagate君kimiはha 静shizuかにkani倒taoれてrete落oちたchita
疲tsukaれてrete眠nemuるようにruyouni
わずかばかりのwazukabakarino 意識ishikiのno中nakaでde
君kimiはha何naniをwo 考kangaえたのかetanoka
立taたないでtanaide もうそれでmousorede充分juubunだda
おおoo神kamiよyo 彼kareをwo救sukuいたまえitamae
ロッカrokkaールruームmuのno ベンチbenchiでde君kimiはha
切kiれたくちびるでretakuchibirude そっとつぶやいたsottotsubuyaita
帰kaeれるんだrerunda これでただのkoredetadano男otokoにni
帰kaeれるんだrerunda これでkorede帰kaeれるんだrerunda
ライラライrairarai ラライrarai……