近所きんじょの川辺かわべをうろつきながら
プロポーズの言葉ことばを考かんがえていた
ようやく手てに入いれたこの指輪ゆびわが
明日君あしたきみの手てに渡わたるかな
少すこし躓つまずいただけのはずだった
掌てのひらの上うえで光ひかる指輪ゆびわが
これ以上いじょうない的確てきかくな角度かくどで
向むこう岸ぎしまで飛とんで行いった
取とりに行ゆこうにも橋はしがない
ボートなんて気きの利きいたものもない
泳およいで渡わたろうと両足りょうあしを入いれたとき
見みていた老人ろうじんが言いう
「ここ三途さんずの川かわだぞ」
そんなレジェンドがこの近所きんじょに
カジュアルに流ながれてるなんて
向むこう岸ぎしはあの世よなのかよ
神奈川県かながわけんだと思おもってたわ!
一応近いちおうちかくまで泳およいでみたが
近ちかづくほど苦くるしくなっていくし
さらに近ちかづくと気持きもちよくなる
向むこう岸ぎしに行ゆけば死しぬのだ
それならばと自宅じたくに戻もどり
眠ねむっていた釣つり竿ざおを持もってきた
フック状じょうの針はりに指輪ゆびわがかかることを
信しんじて竿さおを振ふるのだ
「奇跡きせきを信しんじて!」
8投連続はっとうれんぞくエイが釣つれた
その手ての奇跡きせきは今いまいらねぇ
養殖ようしょくならよそでやってよ
さっき泳およいだ時ときどこいたんだ!
振ふっても振ふってもかからず
日ひが落おちてまた昇のぼった
マメができ潰つぶれては
血ちが流ながれ固かたまった
まだ かからない
でも あれは
大切たいせつな指輪ゆびわなんだ
君きみに会あう約束やくそくをしてた
君きみに会あう時間じかんが来きた
僕ぼくんちに向むかう君きみが通とおりすがる
疲つかれ果はてた僕ぼくを見みて
泣なきそうな僕ぼくを見みて
駆かけ寄よる君きみに全すべて話はなした
散々さんざんなプロポーズ
竿さおをまだ振ふろうとする僕ぼくを
君きみは後うしろから抱だきしめた
自分じぶんの体からだの冷つめたさを
知しって心こころが折おれかけた時とき
あちこちに針はりは当あたって歪ゆがみ
気きづけば輪わっかになっていた
君きみはそれを指ゆびにはめて
笑わらったまま泣ないた
「素敵すてきな指輪ゆびわをありがとう」
近所kinjoのno川辺kawabeをうろつきながらwourotsukinagara
プロポpuropoーズzuのno言葉kotobaをwo考kangaえていたeteita
ようやくyouyaku手teにni入iれたこのretakono指輪yubiwaがga
明日君ashitakimiのno手teにni渡wataるかなrukana
少sukoしshi躓tsumazuいただけのはずだったitadakenohazudatta
掌tenohiraのno上ueでde光hikaるru指輪yubiwaがga
これkore以上ijouないnai的確tekikakuなna角度kakudoでde
向muこうkou岸gishiまでmade飛toんでnde行iったtta
取toりにrini行yuこうにもkounimo橋hashiがないganai
ボboートtoなんてnante気kiのno利kiいたものもないitamonomonai
泳oyoいでide渡wataろうとrouto両足ryouashiをwo入iれたときretatoki
見miていたteita老人roujinがga言iうu
「ここkoko三途sanzuのno川kawaだぞdazo」
そんなsonnaレジェンドrejendoがこのgakono近所kinjoにni
カジュアルkajuaruにni流nagaれてるなんてreterunante
向muこうkou岸gishiはあのhaano世yoなのかよnanokayo
神奈川県kanagawakenだとdato思omoってたわttetawa!
一応近ichiouchikaくまでkumade泳oyoいでみたがidemitaga
近chikaづくほどdukuhodo苦kuruしくなっていくしshikunatteikushi
さらにsarani近chikaづくとdukuto気持kimoちよくなるchiyokunaru
向muこうkou岸gishiにni行yuけばkeba死shiぬのだnunoda
それならばとsorenarabato自宅jitakuにni戻modoりri
眠nemuっていたtteita釣tsuりri竿zaoをwo持moってきたttekita
フックfukku状jouのno針hariにni指輪yubiwaがかかることをgakakarukotowo
信shinじてjite竿saoをwo振fuるのだrunoda
「奇跡kisekiをwo信shinじてjite!」
8投連続hattourenzokuエイeiがga釣tsuれたreta
そのsono手teのno奇跡kisekiはha今imaいらねぇiranee
養殖yousyokuならよそでやってよnarayosodeyatteyo
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振fuってもttemo振fuってもかからずttemokakarazu
日hiがga落oちてまたchitemata昇noboったtta
マメmameができgadeki潰tsubuれてはreteha
血chiがga流nagaれre固kataまったmatta
まだmada かからないkakaranai
でもdemo あれはareha
大切taisetsuなna指輪yubiwaなんだnanda
君kimiにni会aうu約束yakusokuをしてたwoshiteta
君kimiにni会aうu時間jikanがga来kiたta
僕bokuんちにnchini向muかうkau君kimiがga通tooりすがるrisugaru
疲tsukaれre果haてたteta僕bokuをwo見miてte
泣naきそうなkisouna僕bokuをwo見miてte
駆kaけke寄yoるru君kimiにni全subeてte話hanaしたshita
散々sanzanなnaプロポpuropoーズzu
竿saoをまだwomada振fuろうとするroutosuru僕bokuをwo
君kimiはha後ushiろからrokara抱daきしめたkishimeta
自分jibunのno体karadaのno冷tsumeたさをtasawo
知shiってtte心kokoroがga折oれかけたrekaketa時toki
あちこちにachikochini針hariはha当aたってtatte歪yugaみmi
気kiづけばdukeba輪waっかになっていたkkaninatteita
君kimiはそれをhasorewo指yubiにはめてnihamete
笑waraったままttamama泣naいたita
「素敵sutekiなna指輪yubiwaをありがとうwoarigatou」