触ふれたきものは
仄ほの蒼あおき頬ほおの下した
かよう血汐ちしおの
生いき急いそぐぬくもり
時ときをつなぎ止とめるため
あなたを抱だく
肩かたの向むこう見上みあげる冬ふゆの
夜よるは羽搏はばたき
いま私わたしに舞まい落おちるのは白しろい雪ゆきではなくて土つち
冥くらい闇やみの底そこにひとり安やすらかに埋うもれよう
この世よで大事だいじなものを幾いくつも失なくしてきたのになお
まだあなたの美うつくしい横顔よこがおに惹ひかれるのか
果はてもなく 狂くるおしい祈いのりのように
踏ふみしだかれた
薄氷はくひょうの上うえに立たつ
足元あしもとすくう凩こがらし
天てんの奈落ならく 越こえて届とどく
ひとひらの夢ゆめ
縋すがれるならば
いま私わたしに降ふり注そそぐのはやさしい雪ゆきではなく炎ほのお
この手てで消けす術すべも持もたずただ焼やかれ朽くちるため
この世よに変かわらぬものなど在ありはしないとわかってなお
なぜ人ひとはどんな日ひも無なきものばかり望のぞむのか
罰ばつのように 汚よごれ染しみぬ想おもいに変かえて
どうかあなたを包つつむのは冷つめたい雪ゆきではなくて星ほし
その輝かがやきに焦こがれて私わたしは息いき絶たえるだろう
この世よに悲かなしきことは尽つきぬほど満みちたと知しってなお
なぜこうも易々やすやすと涙なみだはあふれるのか
罪人ざいにんのように
いつまでもその腕うでのなかで
触fuれたきものはretakimonoha
仄hono蒼aoきki頬hooのno下shita
かようkayou血汐chishioのno
生iきki急isoぐぬくもりgunukumori
時tokiをつなぎwotsunagi止toめるためmerutame
あなたをanatawo抱daくku
肩kataのno向muこうkou見上miaげるgeru冬fuyuのno
夜yoruはha羽搏habataきki
いまima私watashiにni舞maいi落oちるのはchirunoha白shiroいi雪yukiではなくてdehanakute土tsuchi
冥kuraいi闇yamiのno底sokoにひとりnihitori安yasuらかにrakani埋uもれようmoreyou
このkono世yoでde大事daijiなものをnamonowo幾ikuつもtsumo失naくしてきたのになおkushitekitanoninao
まだあなたのmadaanatano美utsukuしいshii横顔yokogaoにni惹hiかれるのかkarerunoka
果haてもなくtemonaku 狂kuruおしいoshii祈inoりのようにrinoyouni
踏fuみしだかれたmishidakareta
薄氷hakuhyouのno上ueにni立taつtsu
足元ashimotoすくうsukuu凩kogarashi
天tenのno奈落naraku 越koえてete届todoくku
ひとひらのhitohirano夢yume
縋sugaれるならばrerunaraba
いまima私watashiにni降fuりri注sosoぐのはやさしいgunohayasashii雪yukiではなくdehanaku炎honoo
このkono手teでde消keすsu術subeもmo持moたずただtazutada焼yaかれkare朽kuちるためchirutame
このkono世yoにni変kaわらぬものなどwaranumononado在aりはしないとわかってなおrihashinaitowakattenao
なぜnaze人hitoはどんなhadonna日hiもmo無naきものばかりkimonobakari望nozoむのかmunoka
罰batsuのようにnoyouni 汚yogoれre染shiみぬminu想omoいにini変kaえてete
どうかあなたをdoukaanatawo包tsutsuむのはmunoha冷tsumeたいtai雪yukiではなくてdehanakute星hoshi
そのsono輝kagayaきにkini焦koがれてgarete私watashiはha息iki絶taえるだろうerudarou
このkono世yoにni悲kanaしきことはshikikotoha尽tsuきぬほどkinuhodo満miちたとchitato知shiってなおttenao
なぜこうもnazekoumo易々yasuyasuとto涙namidaはあふれるのかhaafurerunoka
罪人zaininのようにnoyouni
いつまでもそのitsumademosono腕udeのなかでnonakade