(一)
夏なつも近ちかづく八十八夜はちじゅうはちや、
野のにも山やまにも若葉わかばが茂しげる。
「あれに見みえるは茶摘ちゃつみじゃないか。
あかねだすきに菅すげの笠かさ。」
(二)
日和ひよりつづきの今日きょうこの頃ごろを、
心こころのどかに摘つみつつ歌うたう。
「摘つめよ摘つめ摘つめ摘つまねばならぬ。
摘つまにゃ日本にほんの茶ちゃにならぬ。」
(一)
夏natsuもmo近chikaづくduku八十八夜hachijuuhachiya、
野noにもnimo山yamaにもnimo若葉wakabaがga茂shigeるru。
「あれにareni見miえるはeruha茶摘chatsumiじゃないかjanaika。
あかねだすきにakanedasukini菅sugeのno笠kasa。」
(二)
日和hiyoriつづきのtsudukino今日kyouこのkono頃goroをwo、
心kokoroのどかにnodokani摘tsuみつつmitsutsu歌utaうu。
「摘tsuめよmeyo摘tsuめme摘tsuめme摘tsuまねばならぬmanebanaranu。
摘tsuまにゃmanya日本nihonのno茶chaにならぬninaranu。」