大きな森の小さな伝説 歌詞 さだまさし ふりがな付

お前まえと一緒いっしょになったあとは 二人ふたりで大おおきな森もりへ行いき
小ちいさな小ちいさな家うちを建たてるのだ 丸太小屋まるたごやに煙突えんとつつけて

森もりのシマリスやキツツキは 素敵すてきな隣人りんじんになるだろうが
別べつに怖こわいわけじゃ無ないが ヘビだけは苦手にがてだからお前まえよろしく

それからお前まえは川かわへお洗濯せんたくに 俺おれは山やまへ炭焼すみやきに
お前まえ大声おおごえで下手へたな歌うたを歌うたう 俺おれは切きり株かぶでヴァイオリン

子供こどもが出来できたら勉強べんきょうは 適当てきとうでよいから健康けんこうで
野兎やと追おいかけ野菜やさいを育そだてて 空そらと土つちとを愛あいするように

俺おれがブナの木きやヒッコリーで 美味おいしい薫製くんせい作つくるから
別べつに怖こわいわけじゃ無ないが ゴキブリは苦手にがてなのでお前まえらよろしく

鹿肉しかにくの塩しおの加減かげん覚おぼえたなら 魚釣さかなつりを教おしえよう
明あかるく輝かがやく瞳ひとみの子供達こどもたちよ 爽さわやかで勇気ゆうきがあるように

地震じしん 雷かみなりに 火事かじ 嵐あらし 力ちからを合あわせて乗のり越こえよう
誰だれかが病気びょうきになった時ときは 俺おれが担だん心こころで町まちの医者いしゃまで走はしる

花はなが咲さいたなら野苺のいちごや キノコを採とりに出でかけよう
本当ほんとうは怖こわいけれど森もりの熊くまだけは 俺おれに任まかせてみんなは逃にげるように

月つきに誘さそわれて 夜よるは丘おかに登のぼり みんなで星ほしを数かぞえる
雨あめの降ふる夜よるは窓辺まどべにランプ灯ともし 静しずかに語かたり合あうのさ

時ときは流ながれて全すべてを変かえるだろう 子供こどもは巣立すだってゆき
俺おれとお前まえの二人ふたりに戻もどるだろう 初はじめの頃ころのように

お前まえは相変あいかわらず川かわへお洗濯せんたくに 俺おれは山やまへ芝刈しばかりに
お前まえ大声おおごえで下手へたな歌うたを歌うたう 俺おれは切きり株かぶでヴァイオリン

大おおきな森もりの片隅かたすみで 綴つづる俺達おれたちの物語ものがたり
小ちいさな小ちいさな伝説でんせつとして 子供こどもが語かたり継つぐだろう

俺達おれたちが居いなくなっても 子供達こどもたちよ胸むねを張はって
俺達おれたちの墓はかを乗のり越こえて行いけ 新あたらしい伝説でんせつのために