今いま汽笛きてきを鳴ならし最後さいごの汽車きしゃが走はしる
汗あせとすすにまみれ走はしり続つづけてきた機関士きかんしがいた
娘むすめは19 春はるになれば花嫁はなよめになってしまう
それが 辛つらくもあり嬉うれしくもある
そんな父親ちちおやだった
この駅えきのはずれで泣ないてた子供達こどもたちも
成人式せいじんしきを終おえて都会とかいへと出でて行いって戻もどらない
ルリ色いろの海うみ
右手みぎてに拡ひろがり通とおりすぎる踏切ふみきりはかつて
妻つまの手てを引ひいて家いえを出でた想おもい出でのあの場所ばしょ
昨日きのうの夜よるのこと 娘むすめがぽつりつぶやいた
彼かれの望のぞんでる都会とかいへ
私わたしもついて行いきたい"お願ねがい"
"いいよ"と陽気ようきに言いっはみたが
思おもい出では消けせるどころか
飲のめない酒さけを浴あびるほど飲のみ
天井てんじょうを見みつめて泣ないた
この汽車きしゃが最後さいごの駅えきに着ついたその時ときには
私わたしの人生じんせいの仕事しごとはすべて終おわってしまう
楽たのしい日々ひびをくれた娘むすめに精一杯せいいっぱいの思おもいを込こめて
すすで汚よごれたこの手てで今いま 最後さいごの汽笛きてきを贈おくろう
ララ…… ララ……
汽車きしゃが着ついた駅えきの古ふるびた柱はしらの影かげに
人垣ひとがきをさけながら立たたずむ白髪しらがまじりの妻つまがいた
頬ほおをつたわる涙なみだぬぐわず 白しろい花束はなたばをかかえて
声こえにはならないけれど かすかに唇くちびるが動うごいた
"ごくろうさま"
ララ…… ララ……
今ima汽笛kitekiをwo鳴naらしrashi最後saigoのno汽車kisyaがga走hashiるru
汗aseとすすにまみれtosusunimamire走hashiりri続tsuduけてきたketekita機関士kikanshiがいたgaita
娘musumeはha19 春haruになればninareba花嫁hanayomeになってしまうninatteshimau
それがsorega 辛tsuraくもありkumoari嬉ureしくもあるshikumoaru
そんなsonna父親chichioyaだったdatta
このkono駅ekiのはずれでnohazurede泣naいてたiteta子供達kodomotachiもmo
成人式seijinshikiをwo終oえてete都会tokaiへとheto出deてte行iってtte戻modoらないranai
ルリruri色iroのno海umi
右手migiteにni拡hiroがりgari通tooりすぎるrisugiru踏切fumikiriはかつてhakatsute
妻tsumaのno手teをwo引hiいてite家ieをwo出deたta想omoいi出deのあのnoano場所basyo
昨日kinouのno夜yoruのことnokoto 娘musumeがぽつりつぶやいたgapotsuritsubuyaita
彼kareのno望nozoんでるnderu都会tokaiへhe
私watashiもついてmotsuite行iきたいkitai"おo願negaいi"
"いいよiiyo"とto陽気youkiにni言iっはみたがhhamitaga
思omoいi出deはha消keせるどころかserudokoroka
飲noめないmenai酒sakeをwo浴aびるほどbiruhodo飲noみmi
天井tenjouをwo見miつめてtsumete泣naいたita
このkono汽車kisyaがga最後saigoのno駅ekiにni着tsuいたそのitasono時tokiにはniha
私watashiのno人生jinseiのno仕事shigotoはすべてhasubete終owaってしまうtteshimau
楽tanoしいshii日々hibiをくれたwokureta娘musumeにni精一杯seiippaiのno思omoいをiwo込koめてmete
すすでsusude汚yogoれたこのretakono手teでde今ima 最後saigoのno汽笛kitekiをwo贈okuろうrou
ララrara…… ララrara……
汽車kisyaがga着tsuいたita駅ekiのno古furuびたbita柱hashiraのno影kageにni
人垣hitogakiをさけながらwosakenagara立taたずむtazumu白髪shiragaまじりのmajirino妻tsumaがいたgaita
頬hooをつたわるwotsutawaru涙namidaぬぐわずnuguwazu 白shiroいi花束hanatabaをかかえてwokakaete
声koeにはならないけれどnihanaranaikeredo かすかにkasukani唇kuchibiruがga動ugoいたita
"ごくろうさまgokurousama"
ララrara…… ララrara……