小春日和こはるびよりの 愛あい縁えん坂ざかを
今年ことしもあなたに 逢あいたくて
日傘ひがさをさしていそいそと 寺てら詣まいり
姓せいは富島とみしま 名なは松五郎まつごろう
実みのらぬ恋こいを 胸むねに秘ひめ
黙だまってわたしを あゝ:ああ ささえてくれた人ひと
秘ひめた想おもいは わたしもおなじ
許ゆるされぬ夢ゆめと あきらめて
心こころに鍵かぎをかけたまま あの夏なつの
ふたり眺ながめた 海峡かいきょう花火はなび
あなたの情こころ 知しりながら
女おんなになれない あゝ:ああ この身みがつらかった
白しろい蝶々ちょうちょうが お墓はかのまえに
どこから来きたのか ひらひらと
手向たむけた花はなに愛いとしげに まといつく
きっとあなたね 松五郎まつごろうさんね
わたしの胸むねに とまってよ
この世よで叶かなわぬ あゝ:ああ 想おもいをとげましょう
― とげましょう
小春日和koharubiyoriのno 愛ai縁en坂zakaをwo
今年kotoshiもあなたにmoanatani 逢aいたくてitakute
日傘higasaをさしていそいそとwosashiteisoisoto 寺tera詣maiりri
姓seiはha富島tomishima 名naはha松五郎matsugorou
実minoらぬranu恋koiをwo 胸muneにni秘hiめme
黙damaってわたしをttewatashiwo あaゝ:ああaa ささえてくれたsasaetekureta人hito
秘hiめたmeta想omoいはiha わたしもおなじwatashimoonaji
許yuruされぬsarenu夢yumeとto あきらめてakiramete
心kokoroにni鍵kagiをかけたままwokaketamama あのano夏natsuのno
ふたりfutari眺nagaめたmeta 海峡kaikyou花火hanabi
あなたのanatano情kokoro 知shiりながらrinagara
女onnaになれないninarenai あaゝ:ああaa このkono身miがつらかったgatsurakatta
白shiroいi蝶々chouchouがga おo墓hakaのまえにnomaeni
どこからdokokara来kiたのかtanoka ひらひらとhirahirato
手向tamuけたketa花hanaにni愛itoしげにshigeni まといつくmatoitsuku
きっとあなたねkittoanatane 松五郎matsugorouさんねsanne
わたしのwatashino胸muneにni とまってよtomatteyo
このkono世yoでde叶kanaわぬwanu あaゝ:ああaa 想omoいをとげましょうiwotogemasyou
― とげましょうtogemasyou