傘かさをかしげて ふとすれちがう
柳やなぎちる夜よるの 隅田すみた河岸かわぎし
えゝ
別わかれた頃ころより しあわせそうな
憎にくい 恋こいしい‥‥
人ひとがゆく
男おとこごゝろも 隅田すみたの水みずも
いちど流ながれりゃ かえりゃせぬ
えゝ
未練みれんとおもえば 口惜くちおしいけれど
もとは 他人たにんじゃ‥‥
ないお人ひと
むせぶ「ながし」の あの三昧さんまいの音おとも
雨あめに消きえゆく 隅田すみた河岸かわぎし
えゝ
勝気かちきといわれた 女おんながひとり
泣ないて おります‥‥
しみじみと
傘kasaをかしげてwokashigete ふとすれちがうfutosurechigau
柳yanagiちるchiru夜yoruのno 隅田sumita河岸kawagishi
えeゝ
別wakaれたreta頃koroよりyori しあわせそうなshiawasesouna
憎nikuいi 恋koiしいshii‥‥
人hitoがゆくgayuku
男otokoごgoゝろもromo 隅田sumitaのno水mizuもmo
いちどichido流nagaれりゃrerya かえりゃせぬkaeryasenu
えeゝ
未練mirenとおもえばtoomoeba 口惜kuchioしいけれどshiikeredo
もとはmotoha 他人taninじゃja‥‥
ないおnaio人hito
むせぶmusebu「ながしnagashi」のno あのano三昧sanmaiのno音otoもmo
雨ameにni消kiえゆくeyuku 隅田sumita河岸kawagishi
えeゝ
勝気kachikiといわれたtoiwareta 女onnaがひとりgahitori
泣naいてite おりますorimasu‥‥
しみじみとshimijimito