1. なぜ「モンスター」なのか。きゃりーぱみゅぱみゅ『ファッションモンスター』

なぜ「モンスター」なのか。きゃりーぱみゅぱみゅ『ファッションモンスター』

奇抜な衣装で知られる女性アーティスト、きゃりーぱみゅぱみゅ。紅白に何度も出場しているので、世の中にも受け入れられたと言える存在です。そんなきゃりーの代表曲の一つ、『ファッションモンスター』。2012年発売のシングル。きゃりーらしく、カラフルで勢いのある曲です。この曲は、なぜ「モンスター」=「怪物」という単語をタイトルに持ってきているのでしょうか。

2016年6月25日


この記事の目次
  1. ・きゃりーぱみゅぱみゅ Profile


奇抜な衣装で知られる女性アーティスト、きゃりーぱみゅぱみゅ。紅白に何度も出場しているので、世の中にも受け入れられたと言える存在です。そんなきゃりーの代表曲の一つ、『ファッションモンスター』。2012年発売のシングル。きゃりーらしく、カラフルで勢いのある曲です。この曲は、なぜ「モンスター」=「怪物」という単語をタイトルに持ってきているのでしょうか。



“ファッションモンスター
おもしろいって いいたいのに
いえないなんて つまらないでしょ
おなじになって いい子でなんて
いたくないって キミもそうでしょ”


「ファッションモンスター」というタイトルを最初に明示。さらに「おもしろいって いいたいのに いえないなんて つまらないでしょ」と、冒頭から怒涛の「い」の連続でスタートします。もっと言えば、その後の「おなじ」「きみ」も「い」の音を形成しています。「いい子」「いたくない」もあります。これで勢いにのり、この歌詞の世界に入り込ませる役割を果たしているんですね。

さらにこの冒頭は、「ファッションモンスター」と「キミ」以外の歌詞が、全てひらがな表記。「いい子」でやっと漢字が登場します。ひらがなはやわらかさ、親しみやすさの表現。そして、漢字は真剣さの表れ。皆と同じ「いい子」でいいのか?ということを問うています。

“このせまいこころの檻もこわして自由になりたいの
鉄の首飾りをはずしてただ自由にいきたいだけ”


サビの歌詞にも注目しましょう。「こころの檻」「鉄の首飾り」が漢字。そこから「自由」になるのも漢字。漢字表記は真剣さの表れだと考えれば、サビに持ってきたこの歌詞が、いかに真剣なのかが分かります。それほど檻や首飾りを感じているんですね。日本は、皆と同じであることを重視する社会です。一見自由なファッションで気楽に見えるきゃりーも、かなり考えて発言し自己演出しています。

“感覚をとぎすませてキミのように
すいこまれてく螺旋模様みたいに I wanna be free”


ファッションや音楽で挑戦する為に、感覚をとぎすますのも重要なこと。なので、この「感覚」も漢字。続く「螺旋模様」も漢字です。螺旋模様は、感覚をとぎすませて自分の表現を追求していくことのたとえ。新しい表現を追求してくことは、永遠に続く螺旋模様のように果てしない作業であることが分かります。「I wanna be free」と「自由になりたい」をわざわざ英語でも言い換えています。それほど現代人は自由がないんですね。

「モンスターペアレント」という単語があるように、必ずしもプラスの意味で使われるわけではない「モンスター」という単語。それでも、檻を壊して自由になるためならモンスターにでもなる!という強い意志。

さらに言えば、この『ファッションモンスター』のカップリング曲は『100%のじぶんに』です。「かわいいだけじゃ 退屈で あたらしいだけでも もの足りないでしょ」「100%のじぶんを じぶんらしいと言えるようになーる」という歌詞の曲。A面B面を通して、自分らしさを探求している。

きゃりー自身のスタイルが世の中に受け入れられたので、その覚悟や姿勢や創意工夫は見落とされがち。しかし『ファッションモンスター』であるきゃりーは、ゆるく見えてその実はかなり真剣なんですね。



TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

きゃりーぱみゅぱみゅ Profile

1993年1月29日生まれ
東京都出身/趣味:音楽
高校を卒業した2011年夏に、ワーナーミュージック・ジャパンから、中田ヤスタカ(CAPSULE)プロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」(8/17発売)でメジャーデビュー。2012年5月に発売した初のフルアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」は、オリコンデイリーチャート初登場1位、さらにiTunesでも日本総合チャートや世界各国のエレクトロチャートで1位を獲得。その後、自身初となる全国ツアー、日本武道館単独公演、NHK紅白歌合戦初出場と快進撃を続ける。2013年には、初めてのワールドツアー(8つの国と地域、13都市)を大成功させ、2013年6月に満を持して発表したセカンドアルバム「なんだこれくしょん」は、オリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得。
そして2014年、2度目となるワールドツアー(11の国と地域、15都市)も大成功で終え、サードアルバム「ピカピカふぁんたじん」は、北南米、欧州、オセアニア、アジア圏など世界4大陸、15ヶ国(地域)で同時発売。2作連続となるオリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得。そして約3万5千人を動員したホールツアー 「きゃりーぱみゅぱみゅの雲の上のHEAVEN’S DOOR」(15都市17公演)、さらに自身最大規模のアリーナツアー「きゃりーぱみゅぱみゅの からふるぱにっくTOY BOX」(9公演)が大盛況のうちに終了。
デビュー5周年を迎えた2016年は、初のアニバーサリーイヤーとして、自身初となるベストアルバム「KPP BEST」の発売や、3度目のワールドツアーの開催など、様々な企画を展開。2017年4月5日(水)に発売した14枚目のシングル『良すた』も好調。
そのかわいい容姿からは想像がつかないほど自由奔放で、オリジナリティ溢れる表現でファンを魅了し続けている。アーティスト活動とファッション面での活動を掛け合わせた、『HARAJUKU』のアイコンとしての存在が、全世界から注目を集める。

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