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祝!京都大作戦10周年!10-FEETが奏でる人間の『RIVER』とは!?

梅雨が明ければ、今年も夏フェスの季節。夏フェスといえば、10-FEETだ。10-FEETは、京都出身の3人組ロックバンド。疾走感あふれるメロディーに乗せた、心を揺さぶる激熱な歌詞が魅力だ。毎年、北海道から沖縄までさまざまな大型フェスに軒並み出演し、地元・関西で自ら主催するフェス「京都大作戦」も、2016年で10回目と絶好調(※台風で中止になった2007年を含む)。今や日本のフェスにはなくてはならない存在である彼らが、今年の夏も各地のロックキッズたちを沸かせる様子が目に浮かぶ。

様々な意味を含む「RIVER」


梅雨が明ければ、今年も夏フェスの季節。夏フェスといえば、10-FEETだ。10-FEETは、京都出身の3人組ロックバンド。疾走感あふれるメロディーに乗せた、心を揺さぶる激熱な歌詞が魅力だ。

毎年、北海道から沖縄までさまざまな大型フェスに軒並み出演し、地元・関西で自ら主催するフェス「京都大作戦」も、2016年で10回目と絶好調(※台風で中止になった2007年を含む)。

今や日本のフェスにはなくてはならない存在である彼らが、今年の夏も各地のロックキッズたちを沸かせる様子が目に浮かぶ。

そんな10-FEETが、フェスやライブで必ず演奏する定番曲といえば、『RIVER』だ。

彼らの楽曲は基本的にアップテンポの曲が多いから、見ているほうは踊らずにはいられない。また、TAKUMAがご当地の川になぞらえて、茨城なら「那珂川」、東京は「隅田川」、大阪は「淀川」といったように歌詞を微妙に変えてくるのもライブならではで気分が高まる。

でもこの曲、よくよく読んでみると、「川」というのに何通りもの解釈ができる意味深な歌詞であることにお気づきだろうか。『RIVER』は、ただ単にその辺を流れている自然の川、というわけではなさそうだ。その意味は、大きく3つに分けられる。

①人生という川


まず、歌詞の中に使われている漢字が「川」ではなく「河」であることに注目したい。

一般的に「河」は「川」より大規模な”大河”のことだ。「意味と原因と偶然が個々に 寄り添い一つになる」大きな河。

これは、人の一生を表す意味にとれる。私たちが生まれたのは偶然ばかりじゃない。原因があって誕生してきた命、生きていく意味は必ずある…と語りかけてくるようだ。

「時流れゆく事が決して 年老いTAKE事じゃない」は、何歳になっても、私たちは死ぬまで自分の人生から逃げられはしない。だったら、老いを恐れて挑戦しないのは損だ、というエール。

でも、一生懸命になるのはいいけれど、エゴばかり働いて「なんで私ばっかり」なんて本当は心の中で思っていない? 「そんな誓いとんだ勘違い 誰も独りで生きていけない」大変なのは、実は自分ばかりじゃない。

人生という川は、一人では渡っていけないんだよ、という自戒の意味も込められている。深い。

②人の感情の流れ


次に注視してみたいのは、曲の中に相反する感情を持つ、別々の立場の人たちが登場するという点。

”母”は「よかった」と安心して泣く。”君”は「嬉しい」と喜んで泣く。”僕”は「独りで」孤独をかみしめながら泣く。

「泣く」という行為は同じでも、それぞれ、そこに込められた感情が違う。人生という川は、同じように見えて実は全く違う、人の感情の集まりでもあるのだ。

そして「まだ戻れるまた訪れる あのRIVER」という部分には、「戻る」「訪れる」という逆の行動がある。人はいつも、自分に正直な行動ばかりできるわけじゃない。せめぎ合う感情を抱きながら生きていく私たち。

そして、時には理不尽な人生に対して流す涙もまた「河」の表現に含まれているに違いない。

③三途の川


そして、この曲の中には”この世ではない”と思われる場所の描写も出てくる。

「昔行ったあの場所に行った あのRIVER」の”昔行った川”とは、この世とあの世をつなぐ川…つまり三途の川ではないかと思うのだ。生まれるまえにいた場所だから「昔行ったあの場所」。そして、そこをまた訪れたのは、死に直面するような重大が事態がおこったから。

「母は泣いた手に触れ泣いた "よかった”と一言また泣いた」だって、ただ子どもが久しぶりに実家に帰ってきたからといって、ここまで泣く親はいないだろう。ひん死の状態から生還したから、「よかった」と涙してしまうのだ。

それに、「僕は泣いたただただ泣いた 気がつくと独りで泣いていた」という部分も、ひとりぼっちの旅=臨死体験を表しているようにとれないだろうか。

”僕”はきっと、三途の川の近くで、昔見知った懐かしい人に会ったのだ。だから、その体験を思い出して不思議な気持ちで泣いている。そして、そんな”僕”の姿を見て、”母”と”君”は「戻ってくれてよかった」と泣いているのだ。

…これは相当に深い川。書いていて飲み込まれそうになってきた。「RIVER」は、TAKUMAが昔近くに住んでいた、京都の鴨川のことを思って書かれたそう。また別のインタビューでは、「六本木の交差点で信号待ちをしている時、頭の中にメロディが流れてきた」とも語られている。

まさに「川の流れ」と「人の流れ」両方からインスピレーションを得てつくられた曲ということで、その意味の深さも納得できる。

でも、そんな3つの川の流れを題材にして、TAKUMAが伝えたかったことは、きっとこの前向きなフレーズにある。

違う側面から見て、感じて


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It's just a waste of time if you can't do anymore.
Do your best and lay back and leave the rest to God
≪RIVER 歌詞より抜粋≫
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無理なこと(自分のキャパシティ以上のこと)をしていても時間の無駄。神に召されるその日まで、自分のやるべき分野でベストを尽くすしかないのさ。

今の環境に納得がいっていないあなた。日常に、ちょっとした生きづらさを感じているあなた。そんな人に「立ち上がれ」と歌いかけるのが、この『RIVER』なのだ。

この曲が流れてきたら、そんなことも想像しながら聴いてみるのはどうだろう。フェスの感慨が、また違ったものになるかもしれない。

TEXT 佐藤マタリ

地元京都を拠点に活動。 シンプルな3ピースという形態でありながら、メロコアと言うジャンルでは既に括る事のできない音楽性は、ROCK、PUNK、HEAVY METAL、REGGAE、HIP HOP、GUITAR POP、BOSSA NOVA等のジャンルを10-FEET流に取り入れ、幅広い独自のものを確立している。 また全国各地で繰り···

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