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懐かしい、それとも哀しい?聴き手の“過去”で変わる宇多田ヒカル「Passion」の不思議

世界的に有名なディズニーとFFシリーズなど数々のゲーム制作を手掛けるスクウェア・エニックスがコラボすることで実現した大人気ゲーム「キングダムハーツ」。このゲームシリーズで主題歌を担当しているのが、宇多田ヒカル。

キングダムハーツⅡ主題歌 Passion


世界的に有名なディズニーとFFシリーズなど数々のゲーム制作を手掛けるスクウェア・エニックスがコラボすることで実現した大人気ゲーム「キングダムハーツ」。

このゲームシリーズで主題歌を担当しているのが、宇多田ヒカル。

彼女の15枚目のシングルとなる『Passion』は、このシリーズ3作目「キングダムハーツⅡ」の主題歌として起用された。

今までシリーズに合わせて作られた3つの楽曲の中でも人気が高い為か、後の作品でもこの楽曲は引き続き使用されておりキングダムハーツシリーズを象徴する楽曲となっている。

ゲーム自体のクオリティが高いので、PVもつい期待してしまうが撮影が行われたのは中華人民共和国だ。あえてその場所を選んだのは、宇多田曰く「経費削減と草原を映すため」とのこと。

16才で歌手デビューをし、現在では再婚してイタリア在住の彼女はどこかセレブリティでお金に無頓着なイメージがある。そんな彼女でも経費を気にする、この楽曲は歌手:宇多田ヒカルを身近に感じる貴重な楽曲とも言えよう。

聞き手の感情が左右する

Passion


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思い出せば遙か遙か
未来はどこまでも輝いてた
きれいな青空の下で
僕らは少しだけ怯えていた
懐かしい色に窓が染まる
≪Passion 歌詞より抜粋≫
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記憶を思い返すとき蘇るのは、懐かしいと思う温かい気持ちだろうか。それとも、胸が苦しくなるような哀しい気持ちだろうか。

思い出す記憶と一緒に付いてくる聴き手の感情が、この楽曲の雰囲気を左右する。

対になっている光と闇

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思い出せば遙か遙か
未来はどこまでも輝いてた
きれいな青空の下で
僕らはいつまでも眠っていた
≪Passion 歌詞より抜粋≫
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この楽曲の歌詞は、ゲームで描かれる光と闇のように気持ちが対になっている。「未来はどこまでも輝いていた」と言いながら「僕らはいつまでも眠っていた」のように。

前向きなことを言っていながら、未来と重なる空を見ない。

プラスとマイナスの気持ちがせめぎ合っている絶妙なバランスが、聴き手によって楽曲の雰囲気が変わる理由なのだ。

それぞれの思い出の中の光と闇を描く


思い出したことが笑顔になってしまう内容なら、やわらかく耳に届く。しかし、哀しい気持ちにしかならない思い出なら、輝く未来の対になっている歌詞の方が胸に響く。

ゲームのキーワードでもある、光と闇、そして心の繋がりをよく表している楽曲と言えるのだ。

年を重ねるごとに、思い出は増えていく。この楽曲を聴いて思い出す感情に先を見るか、後ろを振り返るか。

全ては心の感じるがままに。

●Passion / 宇多田ヒカル


TEXT:空屋まひろ

シンガー・ソングライター 1983年1月19日生まれ 1998年12月9日にリリースされたデビューシングル『Automatic/time will tell』はダブルミリオンセールスを記録、15歳にして一躍トップアーティストの仲間入りを果たす。そのわずか数か月後にリリースされたファーストアルバム『First Love』はCD···

この特集へのレビュー

男性

2020/01/05 10:42

すごく納得しました。
曲調がすごく切ないので、自然とそういう類の思い出を思い出してしまいます。

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