『ワンピース』と共に出港したBUMP OF CHICKENの『sailing day』

BUMP OF CHICKENはタイアップのうまいバンドです。多くの楽曲が映画やゲーム、アニメなどのタイアップ曲。きちんと映画やアニメの内容にそっていて、かつ自分たちの音楽として違和感なく仕上げています。これがすごいですね。

2016年2月7日


BUMP OF CHICKENはタイアップのうまいバンドです。多くの楽曲が映画やゲーム、アニメなどのタイアップ曲。きちんと映画やアニメの内容にそっていて、かつ自分たちの音楽として違和感なく仕上げています。これがすごいですね。



映画『ワンピース デッドエンドの冒険』の主題歌だったBUMP OF CHICKENの『sailing day』も、見事なまでのタイアップ曲。そして『ワンピース』の歴代主題歌の中でも評判の良い曲です。それほど『ワンピース』の内容にそっている歌詞なんですね。




「精一杯 存在の証明 過ちも 間違いも 自分だけに価値のある財宝
Sailing day 舵を取れ 哀しみも 絶望も 拾っていく 呆れたビリーヴァー」

たとえばこのサビの歌詞は見事ですね。「財宝」という単語を使っていますが、『ワンピース』というタイトルがそもそも「ワンピース」と呼ばれる財宝を示しています。連載が10年以上経っても未だに「ワンピース」がいかなる財宝なのかは謎のままですが、「過ちや間違い」といったマイナス面も自分にとっては価値のある財宝なんだ、という歌詞はさすがですね。『ワンピース』の物語に沿っているのはもちろん、バンドとして自分たちの姿勢も入れている。きちんと自分たちの歌にしているんですね。

「精一杯」と「sailing day」で韻を踏んでいるところも良いですね。出港日、船出の日を表すタイトル。そんな船出の日はいつでも精一杯なのです。『ワンピース』は主人公ルフィが仲間を増やしていく物語。仲間を救うために常に精一杯戦う展開が続きます。そういった内容を反映している歌詞。
そしてかなしみを「悲しみ」ではなく「哀しみ」の字をあてています。「悲しみ」が「哀しみ」も含む大きい意味での悲しさを表現するのに対し、「哀しみ」の字はより個人的な、より感傷的な哀しさを表現する際に使います。『ワンピース』の登場人物は過去に哀しみを抱えている人が多いんですね。そんな哀しみや絶望もルフィは拾っていくわけです。過去の哀しい出来事を乗り越えて、全て含めて仲間にしていく物語。そんなルフィの姿勢、呆れたビリーヴァーの姿勢をこの歌詞だけで見事に表現しています。ビリーヴァーは信じる人の意味。ルフィは仲間を信じているんですね。


「sailing day 舵を取れ 嵐の中 嬉しそうに 帆を張った 愚かなドリーマー 誰もがビリーヴァー 永遠のドリーマー」
この曲は、この歌詞で終わります。音楽の世界という嵐のような世界。このバンドはそんな世界に飛び込んできました。音楽で生きていく決意をした「ドリーマー」であり、自分たちの音楽を信じていた「ビリーヴァー」だったんですね。「誰もが」と言っていることから、自分たちも含んでいることがよく分かります。



2001年に2枚目のシングル『天体観測』が大ヒットしたバンプ。『sailing day』は、このバンドが注目されはじめた頃の2003年の曲。そんな彼らが世に出てきた、音楽の世界に本格的に出港してきたタイミングの曲でもあります。だから曲自体に勢いがあり、自分たちの船出の曲になっているんですね。



TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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