人は進化しているのか、退化しているのか?アンジュルム『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』

アンジュルムは、ハロープロジェクト所属のアイドルグループ。もともとはスマイレージとしてスタートし、改名とメンバーの卒業加入を経て、2016年現在は9人体制のグループになっています。
公開日:2017年6月11日 更新日:2017年6月11日

『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』は、2016年10月にリリースしたシングル収録の曲。長いタイトルがインパクトありますね。このシングルは、2016年7月に加入したばかりの新メンバー・笠原桃奈が入ってから初のシングルにあたります。


“21世紀 近未来育ち 私たちに
GPSテルミー 確かな現在地
迷わないように
本音を公開 いさかいに後悔 後の祭り
自分を探し 超自我探索 特定できてない”


歌いだしは、新メンバーである笠原からのスタート。2003年生まれ、メンバー最年少で中学生の笠原は「21世紀 近未来育ち 私たち」という歌詞にも対応しています。このフレーズを笠原が歌うことで歌詞に説得力が出る仕組み。「本音を公開」の歌詞と「いさかいに後悔」の歌詞で「こうかい」をかけているところが良いですね。SNSで本音を公開した結果、いさかいが起きる現代人のSNS事情を歌詞にしています。

「自分を探し」の後の「超自我探索」という歌詞も字面のインパクトがあります。「スーパーエゴサーチ」と読ませているこのフレーズ。現代人はネットで思わずエゴサーチをしてしまうわけですが、自分が何者なのか「特定できてない」。ネットに振り回されてしまう現代人を表現している歌詞です。

“いじわるな地球よ
資源も自然も全部用意しといて
一番ほしいもの よりにもよって
はぐらかし続けてるのね”


ここの一連のフレーズは、地球の自然や資源をいくら消費しても、なお満足できない人間を表現しています。

サビ直前の「はぐらかし続けてるのね」で、リーダーの和田の見せ場がくるところもポイント。2009年のグループ結成から2016年の今まで、唯一残っている初期メンバーの和田がこのフレーズを歌う意味。和田は、「全部用意」してもらいデビューできてテレビにも出演できたにも関わらず、なかなかグループの人気が上がらなかった時期を経験してきています。「一番ほしいもの」はグループの知名度だったり、動員だったり、色々あったはずですが、そういったものが手に入らない時期がありました。そういう意味では「はぐらかし続けられてきた」メンバー。ここのワンフレーズを和田が歌うことに意味があるんですね。

“愛のため今日まで進化してきた人間
なのになぜ寂しいの?
愛のためすべて退化してきた人間
なのにまだ寂しいの!
(アイノタメキョウマデシンカ…)
(アイノタメスベテタイカ…)”


サビで長いタイトルのフレーズ「愛のために今日まで進化してきた人間」がそのまま登場。進化してきたのに「なぜ寂しいの?」と問いかけています。

2番サビでは同様に「愛のためにすべて退化してきた人間」も登場します。こちらでは「なのにまだ寂しいの!」「!」をつけてうったえています。文明が発展しても傷つけあう人間を「退化」と表現。文明は進化しきました。しかし人間はずっと愛を求めて、いたるところで争いを続けます。進化と同時に退化し続けているのです。

後半の歌詞がカタカナになるダンスパートでは、3期の佐々木がセンターにきます。激しく踊る佐々木が前に来ることによって、ダンスの面で歌詞の意味を強めている構成。

“始発電車 動き出さなくては…
逢いにいけないよ”


「始発電車動き出さなくては… 逢いにいけないよ」のフレーズも、人間の退化の表現です。電車のような交通手段がなければ移動もできない軟弱な現代人。人間は進化しているようで、肉体的には退化しているんですね。それがこのフレーズで分かります。

この曲は、人間の進化と退化という、相反するテーマを歌った意欲的な曲。これをなぜアンジュルムが歌うのか。それは、このグループが進化と退化を繰り返して、試行錯誤してきたからです。アンジュルムもモーニング娘。同様、加入と卒業を繰り返すグループ。その過程の中で、総合的な歌唱力やビジュアルや演技力や知名度などの進化と退化を繰り返してきました。

“高速電波 飛んでないところでも…
見つけてほしいの”


1番サビラストの「見つけてほしいの」は再び笠原。この曲は、永遠に愛を求める人間を歌った曲。そしてアンジュルムを、新メンバーを「見つけてほしい」歌でもあります。このグループが、ぜひより多くの人に見つまりますように。



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