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【ライブレポート】わーすた「会えなかった時間を取り戻す」9カ月ぶり有観客ライブで躍動


最新ミニアルバム『What's "standard"!?』を引っさげ、「清濁あわせていだくにゃー」

9カ月ぶりの有観客ライブには多くのファンが集結。アニバーサリーイヤーに突如訪れた災厄にもメンバーとファンは負けなかった。この間、無観客で配信された結成5周年記念ライブや初のベスト盤『わーすたBEST』のリリースもあった。



11月25日リリースの最新ミニアルバム『What's "standard"!?』を引っさげ、満を持して臨んだこの日の公演。ソーシャルディスタンスを取った会場と配信で視聴するファンが待機する中「OVER TURE」が鳴り響き、わーすたの5人が登場する。

1曲目は「清濁あわせていだだくにゃー」。『What's "standard"!?』のリードナンバーで、UNISON SQUARE GARDEN田淵智也の提供曲だ。黒を基調とした新衣装をまとってステージで躍動する5人からは、この日を迎えた喜びが伝わってくる。廣川奈々聖の「ついてきてね!」の呼びかけから「プリティー☆チャンネル」では、客席もディタンスを取りながら踊りまくる。



「みなさんこんにちは!私たちThe World Standard、わーすたでーす!」。ここで一人ずつ自己紹介。

三品瑠香は「みんな元気にしてましたか!今日はマスクですけど、見えているほうの半分で全部表現してください」と挨拶。

上階を見上げて「すごい!米粒、いや○○○○くらいの大きさ」と天然すぎるトークを放ったのは小玉梨々華。「ちゃんと顔は見えているので、距離関係なくみんなに私たちの思いを届けていけたら」と笑顔で話した。

松田美里は「LINE CUBE SHIBUYAは3回目なんですけど、やっとお客さんの顔を見ながらライブができる」と感無量の面持ち。

リーダーの廣川は「みんなの顔が見たくて、振付を忘れてガン見しちゃいました。みんなもわーすたの顔をガン見して」とリクエスト。

坂元葉月は「やりたかった」という『笑っていいとも!』(フジテレビ)の「チャッ、チャチャチャ」を会場全体で行い、見事成功させていた。

思い出の場所と共に想いを馳せて



「今日はメンバーがやりたい曲、今届けたい曲を持ってきました」と宣言して始まったのは「遮二無二 生きる!」。

続く「四季ドロップス」では、メンバーそれぞれの出身地と思い出の場所がスクリーンに映し出される。<春夏秋冬 巡り巡りゆく 奇跡の連続を つないでいこう>。コロナ禍で活動もままならない中、この場所にいる奇跡を誰よりも感じているのはメンバーとファン一人ひとりだ。客席を見る5人のまっすぐな眼差しが心に残った。



曲の合間にはMVの撮影風景がスクリーンに映し出された。リラックスした表情でものまねやマシュマロキャッチに興じるメンバーに、会場は和やかな雰囲気に包まれた。ワルツ、ラウドロック、EDMなどあらゆる音楽要素を詰め込んだエクストリーム・アイドル・ポップ「ゆうめいに、にゃりたい。」や「ワンダフル・ワールド」に続いて、8月に発売され、生ライブで初披露の「サンデー! サンシャイン!」では、MVの衣装で元気をふりまいた。



今回の目玉は『What's "standard"!?』からの楽曲。「TOXICATS」は、同じ「猫」でも危険な香りがする夜の猫。ジャジーなビートに乗せて妖艶な魅力を放ってみせる。転換を挟んで、ここから「食べ物メドレー」に突入。

坂元の「夏と言えば?」の掛け声でお馴染みの「スイカ割り」、「大志を抱け! カルビアンビシャス!」では全員で<ごちそうさま!>を叫び、坂元、松田、小玉による「べちょべちょパンケーキ? feat.そこの君。a.k.a.ヲタ」を歌い終えると、「次どうする?」「とりあえずタピオカ!」から5人に戻って「タピオカミルクティー」。お腹も気持ちもあっという間に満たされた。

今、みんなに届けたい言葉を歌詞にしました



雪景色に深紅の衣装が映える「Love Unmelt」。「暮れないハート」を挟んで、いよいよライブは佳境へ。「今、みんなに届けたい言葉を歌詞にしました」。メンバーそれぞれが歌詞を持ち寄り、わーすたを熟知する鈴木まなかが作曲した「Never Ending The World」。

<画面の中に見える 少し遠い君の存在を はやくはやく近くにって 透明なカレンダーめくった>。スクリーンに映し出された歌詞を噛み締めるように歌う5人。<世界が変わったって 何度泣いたって 心の標準は変えないでいて>。客席も真剣に聞き入る。間違いなくこの日のクライマックスだった。

ここで、2021年春のニューシングル発売と3月27日にTOKYO DOME CITY HALLで行われる「わーすた6周年記念ライブ」の開催が発表されると、会場からさかんな拍手が送られた。



顔を上気させた三品が「みなさん、まだまだ盛り上がっていけますか?ここから、このステージをめちゃくちゃ燃やしてください」とあおり、ハードにドライブする新曲「萌ってかエモ」でさらにギアを上げる。「いぬねこ。青春真っ盛り」の犬猫コールを経て、「KIRA KIRA ホログラム」で会場の一体感は最高潮に。世界に打って出る「ハロー to the World」を凛々しく歌い上げ、深々と礼をした。



マイクを取った三品。「ずっと会えてなかったから、わーすたでいられている自信がなくて、私たちはここでしか生きられんなあと実感しました。届いていたらいいな」と目を潤ませた。「こんなご時世だから、会いに来るのも簡単じゃない」と小玉。

「マスクの下の顔って大事だなと。表情がわかりにくくて、怒ってないかなって気になった」とぶっちゃけトークで笑わせた。

「ずっと待ってた」と松田。「会えてない期間に、ファンのみんなは元気かな、何してるかなといっぱい考えた。私たちがわーすたでいて幸せだなと思えるのは、みんなのおかげ」と感謝を伝えた。

廣川は「わーすたに愛を捧げてくれて本当にありがとうという気持ちでいっぱい。(無観客だった)5周年ライブと同じ会場ですが、落ち着いたら満員でリベンジしたい」と語った。

最後に坂元が「9か月間、全然無駄な時間じゃなかったと思いますし、これからもっともっと会えなかった時間を取り戻していけるように、全国、全世界のみなさんに会いに行けたら」と話し、「みんなの明日がキラキラ輝きますように」と願いを込めて「Just be yourself」でライブを締めくくった。

歌い終えた5人は満開の笑顔。廣川が「ちょっと自分たちで感動してしまった」と話すように、ファンを前にした久々のライブは、わーすたの原点を再確認するものだった。同時にカラフルでポップな世界観にエッジの効いた魅力が加わり、新章を鮮烈に印象付けた。信じ続ける強さが未来を創ることを、わーすたとファンの姿が雄弁に語っていた。

TEXT 石河コウヘイ

セットリスト

0. OVER TURE
1. 清濁あわせていただくにゃー
2. うるとらみらくるくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
3. プリティー☆チャンネル
4. 遮二無二 生きる!
5. 四季ドロップス

6. ゆるぷれいる
7. ゆうめいに、にゃりたい。
8. ワンダフル・ワールド
9. サンデー!サンシャイン!
10. JUMPING SUMMER

11. TOXICATS
12. スイカ割り
13. 大志を抱け!カルビアンビシャス!
14. べちょべちょパンケーキ? feat.そこの君。a.k.a.ヲタ
15. タピオカミルクティー

16. Love Unmelt
17. 暮れないハート
18. Never Ending The World
19. 萌ってかエモ
20. いぬねこ。青春真っ盛り

21. KIRA KIRA ホログラム
22. ハロー to the World
23. Just be yourself

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