数あるバラエティ番組の中でも、ここ最近、カラオケで歌唱力を競うテレビ番組が増えています。
フジテレビで不定期に放送されている【オールスター芸能人歌がうまい王座決定戦スペシャル】や兄弟番組の【新春オールスター歌がうまい王座決定戦スペシャル】【お笑い芸人歌がうまい王座決定戦スペシャル 】など。
「歌がうまい王座決定戦コンピレーション ~歌うま7人衆~」という番組発のアルバムも発売されました。
これらの番組で特徴的なのは、出演者がタレントや芸人たちなど芸能人だけでなくフジテレビアナウンサーも優勝候補の筆頭という点です。
さらにビックリしたのが、テレビ東京で放送されている元祖カラオケ採点番組【THEカラオケバトル】。
この番組では、予選を通過した女子高生が抜群の歌唱力で審査員や見ている者を魅了し、決勝戦に進出、見事優勝しています。
U-18歌うま甲子園という企画だったので出場者全員が18歳以下ではありましたが、その歌声はとてもアマチュアとは思えないもの。
プロ顔負けのその姿に圧倒される内容でした。テレ東の番組HPではチャンピオン大会も含めた歴代優勝者の動画を観ることもできます。
また、テレビ朝日で放送されていた【音楽チャンプ】の「第1回中高生制服チャンプ」で優勝した当時中学3年生の丸山純奈さんは、配信限定でデビューを果たしています。
(デビュー曲名は「ドラマ」)制服を着ていなければ女性歌手と信じて疑わないような堂々とした歌いっぷりと、力強く澄んだ歌声は視聴者に大きなインパクトを与えました。
この番組の「歌うま日本一決定戦」で優勝したのも高校生。
プロの歌手に匹敵するような歌声を披露しています。
さらに、イケメンホスト情報を無料配信する動画サイトNightTubeでは、【全日本ホスト歌うま王座決定戦】を開催。
2013年に行われた第1回目の大会で、当時ホストクラブHAREMに在籍していた宝城真亜久(現 feel)が並外れた美声を披露して優勝を決め、投稿動画の再生数を伸ばして注目を浴びました。
これらに共通していえるのは、優勝者だけでなく出演している人の【歌唱力の高さ】です。
番組放送で、歌が本業でなく、ましてテレビに出ることも仕事としていない人がプロ並みの歌唱力を披露している姿に圧倒されたりもします。
歌に自信がない人にとって歌唱力の高さはあこがれでもあり、引け目を感じる部分でもあります。
友達にカラオケに誘われても、歌に自信がないから断ってしまうという悩みを持つ高校生も多いのではないでしょうか?
ただ、安心してください。今は自信がなくても、練習次第で自分でも驚くほど歌唱力をあげることができるのです。

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歌がうまい人そうでない人の特徴
カラオケバトルの大会や動画サイトを見てみると、歌がうまい人とそうでない人にはいくつかの決定的な違いがみられます。
まずは、歌唱力の差がどこから生まれているのかを把握していきましょう。
音感
音感は歌の上達に欠かせないものです。
音に対する人間の感覚で、
- 【高さ】
- 【長さ】
- 【色彩】
- 【強さ】
- 【方向】
があります。
歌がうまくない人は、音感がないため音程を合わせることができません。
しかし、歌がうまい人は音感があるため、どんな曲でも一つひとつの音程をしっかり合わせることができます。
音感は生まれ持ってのものもありますが、トレーニングすることで一定のレベルにまで向上させることが可能です。
リズム感
歌のうまい人は、曲によって変わるリズムにもしなやかに対応します。
リズムに乗ることができないということは、曲の音程にも遅れてしまうということです。それは結果として、“音痴”といわれてしまう原因になります。
リズム感も音感と同じく生まれ持ってのセンスがありますが、うまい人の歌をたくさん聴くことで感性を高めていきましょう。
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声量
声量とは人が出す声の大きさのことです。
発声の仕方や体格などによって人の声の大きさは変わります。
歌がうまくない人は声量が小さく、リズム感や音感があってもしっかりと周囲に歌声を届かせることができせん。
反対に歌がうまい人は声量があるため、しっかりと声を響かせることができます。
つまり、声量が大きければ大きいほど歌が上手に聴こえるのです。
この声量もトレーニングによって大きく変えることができます。
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リラックス
放送されているカラオケ番組の出場者を見ていると、本番中でも表情豊かに余裕を持って歌っています。
歌唱力のある人はどんな状況でもリラックスしているもの。
なぜなら、緊張すれば声が出にくく音程をはずしやすいことを知っているからです。
逆にいうと、歌に自信がない人が音程をはずすのは、常に緊張状態にあるためともいえます。
リラックスの仕方は人によって違うので、歌う前にできるだけ気持ちを安定させる方法を探しておくと良いでしょう。
音域
音域とは、音の高さの範囲(幅)のことです。
音域は高音と低音に分かれており、低音よりも高音が出せると歌がうまいといわれています。
歌唱力のない人は高音が出しづらく、しっかり声を出せないことから音程をはずしてしまうのです。
特に男性は高音が出せないために、声が裏返って音痴に聴こえることがあります。
この音域もトレーニング次第で調節できるようになるため、前向きにとらえて次項の「歌唱力UP法」に励んでみてください。
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歌唱力UP法 初級編
歌がうまくなくても自分のどこがいけないのかを分かっていれば、トレーニングで改善することが可能です。
ここでは、歌に自信がない人のために「歌唱力UP法 初級編」を解説します。
自分の声を知る
歌唱力をUPさせるには、まず「自分の声を知ること」が大事です。
自分が聴く自分の声と人が聴く自分の声は、イメージが違います。
ただ、自分の話す・しゃべる声をどんなに聴いても、人に聴こえている声との違いを知ることはできません。
それを知るための良い方法は、自分の声を録音して聴くことです。聴いてみると「自分ってこんな声なのか」とビックリすることもあります。
また、自分の歌を録音することで、音程や歌う時の癖を知ることができ、トレーニングに活用することができるのです。
この方法は、歌がうまい人も行っているでぜひ試してみてください。
鼻腔共鳴
鼻腔共鳴は、鼻の穴から喉の間まである空洞「鼻腔(びくう)」で共鳴させることです。
鼻腔に声を入れ反射させることで、心地よい響きの声を出すことができます。
普通は、喉から口を通って声を出しますが、それでは鼻腔に声が通ることはありません。
鼻腔は口の上や喉の上にあるため、意識して声を上部に出す必要があります。
この鼻腔共鳴は練習によってできるようになるので、繰り返し試して修得しましょう。
鼻腔共鳴の練習方法
- 上あご・舌・下あごを完全にくっつけます。
こうすることによって喉の前に舌がくるので、口から声を出しにくくなります。 - その状態のまま普通に声を出します。
舌が上がっているので、鼻から声が出る感覚をつかむことができます。
鼻から声が出ていない場合は、意識して鼻から声を出すようにしましょう。 - 声を出したまま、鼻の頭を触ります。
鼻の頭が声を出すことで震えていれば、鼻腔共鳴ができている証拠です。 - 鼻腔共鳴の感覚が分かったら、声を眉間や頭頂部から出すイメージで声を出します。
鼻だけでなく、眉間や頭頂部から出る感覚も同じです。
また、強弱を付けたりすると、さらに共鳴の感覚を覚えることができます。 - 鼻腔共鳴の感覚がつかめたら、声を出しながら口を開けましょう。
鼻腔共鳴ができていたら、今までとは違う歌声になるはずです。
また、歌声だけでなく声量も今までよりも出るようになります。
鼻腔共鳴で大切なのは「共鳴することで声量が出ていること」です。
ただし、この方法で難しい場合はもっと簡単に練習する方法もあります。
鼻腔共鳴の簡単な練習法
- 片手で鼻と口を覆います。
- 反対の人差し指を奥歯に咥え、そのまま歌います。
先ほどより簡単な練習法ですが、鼻と口を覆うことで歌いにくくなり、鼻腔共鳴をその場で簡単に行うことができます。
腹式呼吸
腹式呼吸とは、横隔膜を下げてお腹を膨らませ息を吸う呼吸法のことです。
息を吸う時に鼻から吸うことでお腹が膨らみ、息を吐く時に口から吐くことでお腹がへこみます。
腹式呼吸を覚えることで、息を入れた後、スムーズに息と喉を使うことができ、声量のある声を出すことができます。
ただ、腹式呼吸もはじめのうちは自然とできるものではないので、毎日練習する必要があります。
腹式呼吸の練習方法
- 2Lのペットボトルを用意します。
- 息を思いっきり吐いてすぐペットボトルをくわえ、その状態のまま一気に息を吸いましょう。
この時、ペットボトルがボコッとつぶれれば、腹式呼吸ができている証拠です。
ペットボトルがつぶれないのは、腹式呼吸ができておらず喉や口だけで息を吸っている証拠です。
ブレス
歌唱力を上げるためには「ブレスコントロール」をする必要があります。
ブレスをコントロールすることで、どんな曲でも歌いこなせるようになるのです。
- 長く息を吐く「ロングブレス」
- 歯切れよく短く息を吐く「スタッカート」
ブレスコントロールには、この2種類ありそれぞれ練習方法も違います。
ロングブレスの練習法
- リラックスした状態で、仰向けになります。
- 鼻からゆっくり息を吸い込みます。
この時、お腹が膨らんでいる感覚を覚えておくことが大切です。 - 吸い終わったら、すぐに真っ直ぐ「スー」と息を吐きます。
この時、一定の量を意識して息を吐きましょう。
息を吐くことで、膨らんだお腹はだんだんとへこんでいきます。
はじめは慣れていないので、吐く秒数を10秒程度にし、慣れて来たら15秒・20秒と増やしていくとロングブレスができるようになります。
スタッカートの練習法
スタッカートとは、短く音を切るブレス方法で息を1回吸って5回吐きます。
練習は、声を出して行うとやりやすいです。
たとえば、「ドレドレド」と声を出したら、次は「レミレミレ」とだんだん音程を上げていきながら行いましょう。
自分ができる限界まで音域を上げたら、次は音程を下げるというのを繰り返していきます。
この時、腹式呼吸でリズムを作ると練習しやすくなります。
リップロール
リップロールは、プロのボーカリストも必ず行っている簡単なトレーニングです。
緊張によって閉まった喉を開き、リラックスした状態にできるので、うまく発声することができます。
リップロールのやり方
- まず、口を閉じます。
- 閉じた唇の間から息を出し、唇をぶるぶる振動させましょう。
歌唱力UP法 上級編
初級編はあくまでも歌唱力を上げるための基本ですので、もっと歌唱力を上げたいのなら、さらなる歌唱力UP法が必要です。
ここでは、その「歌唱力UP法 上級編」をご紹介します。
ビブラート
ビブラートとは、伸ばした音を上下に細かく振動させ、メロディにアクセントをつけるテクニックのことです。
歌がうまい人は、このビブラートを自然と行っています。
スキマスイッチ「奏」やT.M.Revolution西川貴教の「vestige」を改めて聴くと、そのうまさを感じ取ることができるでしょう。
ビブラートをつけるかつけないかによって、歌の印象がかなり変わってくるので、ぜひマスターしてみてください。
ビブラートは横隔膜をコントロールし、声帯に空気を送り込むことでできます。
喉を使わないように意識することが大切です。
ビブラートの練習法
- 母音を少し強調するイメージで歌う
- 音程を上下させながら歌う
- 補助を使い、声を揺らす感覚を身につける
- 横隔膜を使って声を震わせるようにする
- あごを使って声を震わせる
この練習法を何度も行うことで、ビブラートができるようになります。
ただし、ビブラートをマスターするには、時間がかかるので根気よく続けることが大切です。
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高音を安定して出す
歌唱力をさらに上げるためには、高音を安定して出すことが重要になってきます。
高音域が安定していないと、どんなにうまく歌えていても下手に聴こえてしまうのです。
高音を安定して出すためには、まずはその感覚をつかむ必要があります。
キーボードなどを使用して、今自分が出せる最も高い音を測り、その音をなるべく長く発声するようにします。
ただし、毎日行うと声帯を痛めてしまう可能性もあるので、1回20分行ったら2日くらい置いて行うようにしましょう。
間隔を空けることで、喉にも支障なく声帯の筋肉を鍛え、高音を出すことができるようになります。
ミックスボイス
ミックスボイスは裏声の一種です。これを使えば、地声から裏声を自然に出すことができて歌が上手に聴こえます。
EXILE ATSUSHIの「Precious Love」や絢香の「みんな空の下」はその代表曲で、芯の通ったきれいな高音が印象的です。
ミックスボイスを修得するには、地声と裏声がスムーズに出せるまで何度も練習が必要です。
扱えるようになるまでは大変ですが、マスターできれば普通の地声では出なかったような高音も出せるようになります。
ミックスボイスの簡単な出し方
口を閉じて鼻歌でハミングをします。
この時、できるだけ大きな音量で行うようにしましょう。そうすると地声では出ないレベルの音域まで出るようなります。
- その高い音域と低い音域を鼻歌で上下します。
ヨーデル(裏声をひんぱんに使うスイスの歌)を歌うように行うのがポイントです。 - 2.を行うことで喉が少し開き声を出しやすくなります。
今度はそのまま口を開け、声を出して鼻歌を上下させてください。
実は、地声で発声できる音域には限界があります。
地声よりさらに高く、力強い高音を発するためにはミックスボイスを覚えましょう。
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抑揚
抑揚とは、声の調子を上げ下げすることで歌にメリハリをつける技のことです。
歌にメリハリをつけることによって、その歌に表情をつけることができます。
歌がうまい人は、抑揚のつけ方を心得ており、単調な歌でも上手に聴かせることができます。
このテクニックには、声質を変える方法と音量を変える方法があります。
この2つの抑揚を覚えることで、さらに歌唱力を上げることができるのです。
抑揚をするのに必要な練習法は2つあります。
- ロングトーンから声を大きくしたり小さくしたりする練習法。
- 声帯を開け閉めする練習法。
どちらの練習も慣れていない人からすると難しいですが、練習することで自然と身に付くようになり、抑揚をつけて歌うことができるようになります。
練習を積んだら自信を持って歌う
歌唱力UP法「初級編」「上級編」をご紹介してきましたが、練習を積んだら最後は自信を持って歌うことです。
TV東京で放送されているカラオケバトルや動画サイトで決勝大会に出場するレベルの歌がうまい人を見ると、収録で緊張しているはずなのに、みんな音楽に乗って楽しそうに歌っていますよね。
たくさんの練習を積んだからこそ持てる自信と余裕が、さらに彼(彼女)たちの魅力を増しています。
歌は基本的に、人の感情を表現する“手段”だということを覚えておいてください。
テクニックが気持ちを超えることはありません。初心を忘れることなく歌を楽しみましょう!
最後は楽しんだものがち
今回は、歌に自信がない人に送る歌唱力UP法についてご紹介しました。
歌がうまい人・そうでない人の特徴、歌唱力UPのポイントを理解していただけたのではないでしょうか。
歌が苦手だという人にとっては、カラオケは地獄の時間かもしれません。
しかしコンプレックスを解消すべく、効率的に練習をして歌唱力をつければカラオケも楽しい時間になるはずです。
練習をたくさんしたら、最後は映画の主人公になったつもりで自信を持って歌いましょう。
うまく歌うことも大切ですが、最後は歌うことを楽しんだもの勝ちです。
歌いやすい歌を選ぶのもいいですが、何よりも自分が楽しく歌える楽曲を選びましょう。
高校生にとってカラオケは気軽だけれどちょっと非日常な思い出づくりのできる貴重なツールでもあります。ぜひ仲間と歌う喜びを共有してくださいね!
この記事のまとめ!
- 歌がうまい人・そうでない人の特徴は5つある
- まずは自分の声を知ることが大事
- 練習を積むことで歌唱力を上げることができる
- ビブラート・ミックスボイスなど、さまざまな技術を修得しよう
- 歌唱力を上げることも大切だが、歌を楽しむことはもっと大切