いくつかの 盆ぼんが過すぎ
いくつかの 齢れいを取とる
秋あきの日和ひよりの 陽ひだまりのなかを
亡なき父ちちは 縁側えんがわに
いつも湯呑ゆのみを 置おいていた
コスモスが 咲さいている
風かぜがきて 揺ゆれている
そんな風情ふぜいに 目めを細ほそめながら
一服いっぷくの 茶ちゃを啜すする
静しずけさ好このむ 父ちちでした
取とり越こし苦労くろうを してきたような
父ちちの目め元もとの 笑わらい皺じわ
過すぎた昔むかしを 懐なつかしむように
湯呑ゆのみを包つつむ 父ちちの手てを
おもいだします 今いまも 今いまも…
こつこつと 働はたらいて
愚痴ぐちさえも こぼさずに
妻つまを愛あいして 子こどもを愛あいして
ささやかな 人生じんせいを
ひたむきに生いきた 父ちちだけど
手てにとれば 重おもたくて
古ふるびてる 欠かけている
茶渋ちゃしぶのついた 湯呑ゆのみ茶碗ちゃわんに
亡なき父ちちは 何なにを思おもい
何なにを語かたって いたのでしょう
取とり越こし苦労くろうを してきたような
父ちちの目め元もとの 笑わらい皺じわ
揺ゆれるコスモス 慈いつくしむような
静しずかな父ちちの まなざしを
おもいだします 今いまも 今いまも…
取とり越こし苦労くろうを してきたような
父ちちの目め元もとの 笑わらい皺じわ
過すぎた昔むかしを 懐なつかしむように
湯呑ゆのみを包つつむ 父ちちの手てを
おもいだします 今いまも 今いまも…
いくつかのikutsukano 盆bonがga過suぎgi
いくつかのikutsukano 齢reiをwo取toるru
秋akiのno日和hiyoriのno 陽hiだまりのなかをdamarinonakawo
亡naきki父chichiはha 縁側engawaにni
いつもitsumo湯呑yunoみをmiwo 置oいていたiteita
コスモスkosumosuがga 咲saいているiteiru
風kazeがきてgakite 揺yuれているreteiru
そんなsonna風情fuzeiにni 目meをwo細hosoめながらmenagara
一服ippukuのno 茶chaをwo啜susuるru
静shizuけさkesa好konoむmu 父chichiでしたdeshita
取toりri越koしshi苦労kurouをwo してきたようなshitekitayouna
父chichiのno目me元motoのno 笑waraいi皺jiwa
過suぎたgita昔mukashiをwo 懐natsuかしむようにkashimuyouni
湯呑yunoみをmiwo包tsutsuむmu 父chichiのno手teをwo
おもいだしますomoidashimasu 今imaもmo 今imaもmo…
こつこつとkotsukotsuto 働hataraいてite
愚痴guchiさえもsaemo こぼさずにkobosazuni
妻tsumaをwo愛aiしてshite 子koどもをdomowo愛aiしてshite
ささやかなsasayakana 人生jinseiをwo
ひたむきにhitamukini生iきたkita 父chichiだけどdakedo
手teにとればnitoreba 重omoたくてtakute
古furuびてるbiteru 欠kaけているketeiru
茶渋chashibuのついたnotsuita 湯呑yunoみmi茶碗chawanにni
亡naきki父chichiはha 何naniをwo思omoいi
何naniをwo語kataってtte いたのでしょうitanodesyou
取toりri越koしshi苦労kurouをwo してきたようなshitekitayouna
父chichiのno目me元motoのno 笑waraいi皺jiwa
揺yuれるreruコスモスkosumosu 慈itsukuしむようなshimuyouna
静shizuかなkana父chichiのno まなざしをmanazashiwo
おもいだしますomoidashimasu 今imaもmo 今imaもmo…
取toりri越koしshi苦労kurouをwo してきたようなshitekitayouna
父chichiのno目me元motoのno 笑waraいi皺jiwa
過suぎたgita昔mukashiをwo 懐natsuかしむようにkashimuyouni
湯呑yunoみをmiwo包tsutsuむmu 父chichiのno手teをwo
おもいだしますomoidashimasu 今imaもmo 今imaもmo…