十三夜 歌詞 二葉百合子 ふりがな付

河岸かしの柳やなぎの 行ゆきずりに
ふと見合みあわせる 顔かおと顔かお
立止たちどまり
懐なつかしいやら 嬉うれしやら
青あおい月夜つきよの 十三夜じゅうさんや

(セリフ)
「あの方かたとまた逢あえた。にっこ
り笑わらって下くださった。それだけを楽たのしみに、
いつも河岸かしでお待まちした。なのに、もう
あの方かたはいらっしゃらない」

夢ゆめの昔むかしよ 別わかれては
面影おもかげばかり 遠とおい人ひと
話はなすにも
何なにから話はなす 振袖ふりそでを
抱だいて泣なきたい 十三夜じゅうさんや

(セリフ)
「ご病気びょうきかしら、他ほかの土地とちへい
らしたのかしら。それとも私わたしが半玉はんぎょくだか
らかしら。でも、もしかしたらと来きてみ
たのに。やっぱりお空そらの月つきはあの方かたと
最後さいごにお逢あいした夜よると同おなじ月つきなのに…」

空そらを千鳥ちどりが 飛とんでいる
今更いまさら泣ないて なんとしょう
さようならと
こよない言葉ことば かけました
青あおい月夜つきよの 十三夜じゅうさんや