母の旅路 歌詞 二葉百合子 ふりがな付

(セリフ)
「元気げんきのいい子供こどもというものは少すこしづゝ親おや不幸ふこうなものでございます。でも
その親おや不幸ふこうを味あじわわせてもらえない不幸ふこう
にくらべたら、何なんと幸福しあわせなことでしょう」

秋あきと気きづいて肌寒はださむく
空そらに流ながれる鰯雲いわしぐも
あの子こ今いまごろ何なにしてる
ぐれて泣ないてはいやせぬか
母ははの匂においを忘わすれたら
母ははの匂においを忘わすれたら
小指こゆびしゃぶってみるがいい

一ひとつ傘かささす親子おやこづれ
みぞれおそれぬ笑わらい顔がお
今日きょうは学校がっこうで何なにしたと
きっと話はなしているのだろう
母ははのぬくもり忘わすれたら
母ははのぬくもり忘わすれたら
からだ丸まるめて寝ねるがいい

理由わけがあるから旅たびの空そら
理由りゆうがあるから身みをかくし
抱だいた昔むかしの手てごたえを
思おもい出だしてる夜よふけごろ
母ははのささやき忘わすれたら
母ははのささやき忘わすれたら
子守唄こもりうたなど歌うたやいい