スノーグローブ 歌詞 佐藤広大 STV 熱烈!ホットサンド! 1月・2月度エンディングテーマ ふりがな付

「スノーグローブ」Liner Notes
~もしこの曲を聴いている最中に、誰かの顔が浮かんだのなら、その人に素直に言葉にしてもらいたい。心をこめて「ありがとう」と。~

「音楽を通じて、今まで支えてくれていた人たちに心からの感謝を伝えたい」 そう言葉にするのはとても簡単なこと。でも、その言葉通り、曲に聴き手へ届く力と深さを持った曲を作るのは、 相当の技量と熱い想いが必要だ。しかし、ごくまれに、聴き終えた後にふと心が温まり、“こんな風に思ってもらえたら” と思う、まるでプレゼントをもらったかのような気持ちにさせてくれる曲が存在する。 佐藤広大のメジャーデビュー曲となる『スノーグローブ』は、まさにそんな温かい曲に仕上がっている。
　北海道で生まれ育った彼は、内向的で目立つことが大嫌いな幼少期を過ごす。 しかし、初めてみんなの前で歌ったときに喜んでもらった経験から、初めて「僕でも誰かを喜ばせることができる」 という自信を得て、ひとつの夢をみる。それは、シンガーになるということ。
　「中学の頃から仲の良かった親友が、ずっと「お前は歌手になれ」と言ってくれていたんです。とはいえ、その言葉は 自分にとって現実的なものではなかったんですよね。まず、なれるとは思ってもいなかったんです。 でも、高校生になったある日、その友達はいつものように“お前は歌手になるんだからな”と言った直後に、 不慮の事故で亡くなってしまったんです。彼が僕に向けた遺言とも取れたその言葉に、僕は使命感さえ抱くように なったんですよね。その時、僕はシンガーになることを胸に誓ったんです」
　とはいえ、簡単に叶うような夢ではない。彼はたくさんのオーディションを受けては落ち、その繰り返しを経験 することで、周りにいる人たちの大切さに気付いたと話す。
　「同じ夢を目指していた友達が先にオーディションに受かったこともありました。 あまりに上手くいかない自分の夢と、自分の実力のなさに失望し、音楽を嫌いになる時期もあったんです。 でも、そんな時に周りを見回すと、僕の歌声を待ち続けてくれる家族や友だちがたくさんいたんですよね。 その人たちの支えがあるからこそ、僕は夢を見続けていられたんです。この人たちのために、僕は絶対に夢を叶え なくてはいけないと思い、初めてオリジナル曲である『ありがとう』という曲を制作したんです」
　人に感謝を伝える曲を作る。それが彼の原点なのだ。彼はその気持ちを込めた楽曲たちを“恩楽”と表現し、 歌い続けている。そして、シンガーになるという夢を確信してから約10年。諦めず、腐ることなく、自分のペースで 歌い続けてきた集大成となるのが、このメジャーデビュー曲「スノーグローブ」だ。
　「人生には、どうしても別れが存在します。でも、その人たちが育った故郷や、想い出の詰まった町は消えないもの。 自分たちを成長させてくれた、そして想い出の詰まった街を忘れないでほしいというメッセージを込めたこの曲を 聴いてくれた人たちが、大切な場所、大切な人たちを思い出してもらえたら嬉しいです」
　自分を育ててくれた場所、大切な人たちに贈る感謝の歌。「僕はいつでもここにいるから」という、嘘のないまっ すぐな言葉は、聴く人すべての心を浄化し、温めてくれるはずだ。 そして、もしこの曲を聴いている最中に、誰かの顔が浮かんだのなら、その人に素直に言葉にしてもらいたい。 心をこめて「ありがとう」と。
文／吉田可奈