あかいくだものを
がりりと噛かみました
濡ぬれたくちびるが
ぬらぬらと光ひかります
柔やわらかい布ぬので 体からだを拭ふきました
こぼれる雫しずくは
誰だれの涙なみだでしょうか
幻まぼろしの月つきの影かげを
ぼんやりと眺ながめています
あらがえぬこの想おもいに
心こころはくすぶります
雨あめが降ふるまえの
匂においを嗅かぎました
気付きづかれぬ花はなが
ひとりで咲さいています
咽喉いんこうに流ながれる 水みずのつめたさ
なだらかな坂さかの上うえを
カラカラと歩あるいています
乾かわかない髪かみのままで
何なにかを冷さますように
幻まぼろしの月つきの影かげが
どこまでもついてきます
鎮しずまらぬこの想おもいに
心こころもあかくなるのです
あかいくだものをakaikudamonowo
がりりとgaririto噛kaみましたmimashita
濡nuれたくちびるがretakuchibiruga
ぬらぬらとnuranurato光hikaりますrimasu
柔yawaらかいrakai布nunoでde 体karadaをwo拭fuきましたkimashita
こぼれるkoboreru雫shizukuはha
誰dareのno涙namidaでしょうかdesyouka
幻maboroshiのno月tsukiのno影kageをwo
ぼんやりとbonyarito眺nagaめていますmeteimasu
あらがえぬこのaragaenukono想omoいにini
心kokoroはくすぶりますhakusuburimasu
雨ameがga降fuるまえのrumaeno
匂nioいをiwo嗅kaぎましたgimashita
気付kiduかれぬkarenu花hanaがga
ひとりでhitoride咲saいていますiteimasu
咽喉inkouにni流nagaれるreru 水mizuのつめたさnotsumetasa
なだらかなnadarakana坂sakaのno上ueをwo
カラカラkarakaraとto歩aruいていますiteimasu
乾kawaかないkanai髪kamiのままでnomamade
何naniかをkawo冷saますようにmasuyouni
幻maboroshiのno月tsukiのno影kageがga
どこまでもついてきますdokomademotsuitekimasu
鎮shizuまらぬこのmaranukono想omoいにini
心kokoroもあかくなるのですmoakakunarunodesu