黒髪くろかみに白髪交しらかみまじり 老おゆるまで
かかる恋こいには いまだ逢あはなくに
ありつつも君きみをば待まちたむ うち靡なびく
我わが黒髪くろかみに 霜しもの置おくまでに
小半こなからの 酒さけに温ぬくもり おおらかな
万葉人まんようじんの 心こころ映はえ 胸むねに宿やどして
この一いち夜や 歳としを忘わすれて 恋こいを歌うたおう
久方ひさかたの月夜つきよを清すみ 梅うめの花はな
心こころ開ひらけて 我わが思おもへる君きみ
久方ひさかたの雨あめも降ふらぬか 雨あめ障つつみ
君きみにたぐひて この日暮ひぐれらさむ
散ちる桜さくら 残のこる桜さくらも 散ちる桜さくら
古人いにしえびとの 達観たっかんは まだ先さきの事こと
この一いち夜や 歳甲斐としがいもなく 恋こいに耽ふけろう
鳰鳥にほどりの潜かづく池水いけみず 心こころあらば
君きみに我あが恋こいふる 心こころ示しめさね
外よそに居いて恋こいひつつあらずば 君きみが家いえの
池いけに住すむといふ 鴨かもにあらましを
恋こいゆえか 若わかやぎ見みせて その笑顔えがお
よしや運命うんめい ありとせば ただ感謝かんしゃの句く
この一いち夜や 歳としも悦よろこび 恋こいを綴つづろう
事こともなく生あき来こしものを 老おいなみに
かかる恋こいにも我あれは逢あへるかも
ぬばたまの黒髪くろかみ変かわり 白しらけても
痛いたき恋こいには 逢あう時ときありけり
事こともなく生いき来きたしものを 老おいなみに
かかる恋こいにも我われは逢あへるかも
黒髪kurokamiにni白髪交shirakamimajiりri 老oゆるまでyurumade
かかるkakaru恋koiにはniha いまだimada逢aはなくにhanakuni
ありつつもaritsutsumo君kimiをばwoba待machiたむtamu うちuchi靡nabiくku
我waがga黒髪kurokamiにni 霜shimoのno置oくまでにkumadeni
小半konakaraのno 酒sakeにni温nukuもりmori おおらかなoorakana
万葉人manyoujinのno 心kokoro映haえe 胸muneにni宿yadoしてshite
このkono一ichi夜ya 歳toshiをwo忘wasuれてrete 恋koiをwo歌utaおうou
久方hisakataのno月夜tsukiyoをwo清suみmi 梅umeのno花hana
心kokoro開hiraけてkete 我waがga思omoへるheru君kimi
久方hisakataのno雨ameもmo降fuらぬかranuka 雨ame障tsutsuみmi
君kimiにたぐひてnitaguhite このkono日暮higureらさむrasamu
散chiるru桜sakura 残nokoるru桜sakuraもmo 散chiるru桜sakura
古人inishiebitoのno 達観takkanはha まだmada先sakiのno事koto
このkono一ichi夜ya 歳甲斐toshigaiもなくmonaku 恋koiにni耽fukeろうrou
鳰鳥nihodoriのno潜kaduくku池水ikemizu 心kokoroあらばaraba
君kimiにni我aがga恋koiふるfuru 心kokoro示shimeさねsane
外yosoにni居iてte恋koiひつつあらずばhitsutsuarazuba 君kimiがga家ieのno
池ikeにni住suむといふmutoifu 鴨kamoにあらましをniaramashiwo
恋koiゆえかyueka 若wakaやぎyagi見miせてsete そのsono笑顔egao
よしやyoshiya運命unmei ありとせばaritoseba ただtada感謝kansyaのno句ku
このkono一ichi夜ya 歳toshiもmo悦yorokoびbi 恋koiをwo綴tsuduろうrou
事kotoもなくmonaku生aきki来koしものをshimonowo 老oいなみにinamini
かかるkakaru恋koiにもnimo我areはha逢aへるかもherukamo
ぬばたまのnubatamano黒髪kurokami変kaわりwari 白shiraけてもketemo
痛itaきki恋koiにはniha 逢aうu時tokiありけりarikeri
事kotoもなくmonaku生iきki来kitaしものをshimonowo 老oいなみにinamini
かかるkakaru恋koiにもnimo我wareはha逢aへるかもherukamo