(父ちち)
「花嫁はなよめ人形にんぎょうのようにきれいだぁ……」
「今日きょう、お父とうさんの手てから離はなれていくんだね」
(娘むすめ)
「お父とうさん、本当ほんとうに長ながい間あいだお世話せわになりました」
(父ちち)
「だめだなぁ、泣なかないつもりだったのに……」
山やまに山風やまかぜ 野原のはらに野風のかぜ
親おやの心こころに 別わかれ風かぜ
蝶ちょうよ花はなよと 育そだてた娘むすめ
今日きょうは嫁入よめいり つのかくし
越こえて行いくのか 峠道とうげみち
送おくる涙なみだの イヤー
父娘おやこ坂さか 父娘おやこ坂さか
誰だれが唄うたうか 娘むすめの為ために
じんと身みにしむ 祝いわい唄うた
細ほそい目めもとは 母かあさんゆずり
とてもきれいな 晴はれ姿すがた
鈴りんを鳴ならして 馬うまの背せに
ゆれて越こえるか イヤー
父娘おやこ娘むすめ 父娘おやこ娘むすめ
(父ちち)
「幸しあわせは自分じぶんの手てでつかむんだよ」
「母かあさんもきっとそう言いうだろう」
(娘むすめ)
「私わたし、きっと幸しあわせになります」
親おやが許ゆるした やさしい人ひとに
やっともらわれ となり村むら
何なにもお前まえに やれないけれど
せめて自慢じまんの お立たち酒ざけ
無事ぶじで倖しあわせ つかみなと
祈いのりつづける イヤー
父娘おやこ娘むすめ 父娘おやこ娘むすめ
(父chichi)
「花嫁hanayome人形ningyouのようにきれいだぁnoyounikireidaa……」
「今日kyou、おo父touさんのsanno手teからkara離hanaれていくんだねreteikundane」
(娘musume)
「おo父touさんsan、本当hontouにni長nagaいi間aidaおo世話sewaになりましたninarimashita」
(父chichi)
「だめだなぁdamedanaa、泣naかないつもりだったのにkanaitsumoridattanoni……」
山yamaにni山風yamakaze 野原noharaにni野風nokaze
親oyaのno心kokoroにni 別wakaれre風kaze
蝶chouよyo花hanaよとyoto 育sodaてたteta娘musume
今日kyouはha嫁入yomeiりri つのかくしtsunokakushi
越koえてete行iくのかkunoka 峠道tougemichi
送okuるru涙namidaのno イヤiyaー
父娘oyako坂saka 父娘oyako坂saka
誰dareがga唄utaうかuka 娘musumeのno為tameにni
じんとjinto身miにしむnishimu 祝iwaいi唄uta
細hosoいi目meもとはmotoha 母kaaさんゆずりsanyuzuri
とてもきれいなtotemokireina 晴haれre姿sugata
鈴rinをwo鳴naらしてrashite 馬umaのno背seにni
ゆれてyurete越koえるかeruka イヤiyaー
父娘oyako娘musume 父娘oyako娘musume
(父chichi)
「幸shiawaせはseha自分jibunのno手teでつかむんだよdetsukamundayo」
「母kaaさんもきっとそうsanmokittosou言iうだろうudarou」
(娘musume)
「私watashi、きっとkitto幸shiawaせになりますseninarimasu」
親oyaがga許yuruしたshita やさしいyasashii人hitoにni
やっともらわれyattomoraware となりtonari村mura
何naniもおmoo前maeにni やれないけれどyarenaikeredo
せめてsemete自慢jimanのno おo立taちchi酒zake
無事bujiでde倖shiawaせse つかみなとtsukaminato
祈inoりつづけるritsudukeru イヤiyaー
父娘oyako娘musume 父娘oyako娘musume