琵琶湖びわこのほとり 妻つまとして
暮くらした月日つきひ 幻まぼろしか
お市いちの春はるは 儚はかなくて
炎ほのおの中なかの 小谷おだに城じょう
憂うき世よのこれが 習ならいでも
辛つらい 辛つらいものです 女おんなとは
「兄上あにうえ様さま お市いちを不幸ふこうにするのなら
なぜ浅井あざい家けへ嫁とつがせたのじゃ。
この世よの鬼おにとは信長のぶなが殿どの!
兄上あにうえ様さまのことじゃ。」
血肉ちにくを分わけた 兄妹きょうだいも
王手おうてをかける 捨すて駒ごまか
天下てんかのための 戦たたかいは
いつでも弱よわい 者ものが泣なく
誰だれにも明日あすは 来くるけれど
何なにが 何なにがあります 女おんなには
「茶々ちゃちゃ お初はつ お江ごう
そなた達たちはどこまでも生いき延のびよ。
母ははは勝家かついえ殿どのと今度こんどこそこの城しろと共ともに
燃もえ尽つきるのじゃ。」
この掌ての中なかの やすらぎを
なぜなぜ奪うばう 二度にどまでも
お市いちの夢ゆめは 夢ゆめの夢ゆめ
程ほどなく落おちる 北きたの庄しょう
運命さだめのままに 流ながされる
笹ささの 笹ささの舟ふねです 女おんなとは
琵琶湖biwakoのほとりnohotori 妻tsumaとしてtoshite
暮kuらしたrashita月日tsukihi 幻maboroshiかka
おo市ichiのno春haruはha 儚hakanaくてkute
炎honooのno中nakaのno 小谷odani城jou
憂uきki世yoのこれがnokorega 習naraいでもidemo
辛tsuraいi 辛tsuraいものですimonodesu 女onnaとはtoha
「兄上aniue様sama おo市ichiをwo不幸fukouにするのならnisurunonara
なぜnaze浅井azai家keへhe嫁totsuがせたのじゃgasetanoja。
このkono世yoのno鬼oniとはtoha信長nobunaga殿dono!
兄上aniue様samaのことじゃnokotoja。」
血肉chinikuをwo分waけたketa 兄妹kyoudaiもmo
王手outeをかけるwokakeru 捨suてte駒gomaかka
天下tenkaのためのnotameno 戦tatakaいはiha
いつでもitsudemo弱yowaいi 者monoがga泣naくku
誰dareにもnimo明日asuはha 来kuるけれどrukeredo
何naniがga 何naniがありますgaarimasu 女onnaにはniha
「茶々chacha おo初hatsu おo江gou
そなたsonata達tachiはどこまでもhadokomademo生iきki延noびよbiyo。
母hahaはha勝家katsuie殿donoとto今度kondoこそこのkosokono城shiroとto共tomoにni
燃moえe尽tsuきるのじゃkirunoja。」
このkono掌teのno中nakaのno やすらぎをyasuragiwo
なぜなぜnazenaze奪ubaうu 二度nidoまでもmademo
おo市ichiのno夢yumeはha 夢yumeのno夢yume
程hodoなくnaku落oちるchiru 北kitaのno庄syou
運命sadameのままにnomamani 流nagaされるsareru
笹sasaのno 笹sasaのno舟funeですdesu 女onnaとはtoha