横笛物語 歌詞 市川由紀乃 ふりがな付

なんで逢あっては 呉くれぬのですか
一目ひとめだけでも いいものを
男おとこごころの 気きまぐれですか
袂たもとに入いれた 恋文こいぶみは
京都きょうと 北嵯峨きたさが 滝口たきぐち寺でら
開あけてください 柴しばの戸とを あなた
恋こいの闇路やみじに あれから迷まよい
やつれて痩やせた この横笛よこぶえの
募つのる想おもいが 届とどいたら

死しねと私わたしに 言いうのでしょうか
二度にどとこの世よで 逢あえぬなら
愛あいを終おわりに する気きでしょうか
女おんなを袖そでに したままで
京都きょうと 北嵯峨きたさが 笹ささ時雨しぐれ
卑怯者ひきょうものです あまりにも あなた
髪かみを落おとして 仏ほとけの門もんに
入はいるのならば この横笛よこぶえに
どうぞひと言こと その理由わけを

京都きょうと 北嵯峨きたさが 滝口たきぐち寺でら
女おんな捨すてます 今日きょうかぎり あなた
生いきて浮世うきよで 添そえぬのならば
迷まよわず後あとを この横笛よこぶえも
明日あすは着きましょう 墨衣すみごろも