魔術師の歌劇場 歌詞 希美まゆ ふりがな付

遠とおい遠とおい街まちの
古ふるぼけた劇場げきじょうに
一人迷ひとりまよい込こんだ
少女しょうじょは魔術師マジシャンに出逢であった

彼女かのじょは唄うたうたい
魔術師マジシャンは 素敵すてきな音楽家ミュージシャン
それは満月まんげつが
気紛きまぐれに仕掛しかけた罠わな

「僕ぼくの舞台ステージで唄うたって」
五線譜ごせんふの招待場しょうたいじょう(invitation)
記しるされた旋律せんりつは
叶かなわぬ恋こいへの扉とびら

あの娘むすめは魔法まほうの楽譜スコアを開ひらく
魔術師マジシャンの指揮棒バトンが踊おどる
それは知しらない 歌劇オペラの序曲じょきょく(overture)
闇やみを濡ぬらす雨あめの調しらべ

辿たどり着ついたのは
煉瓦作れんがづくりのアパート
それは魔術師マジシャンの
秘密ひみつの歌劇場オペラハウス

頬ほおを撫なでる指先ゆびさき
戯たわむれの接吻くちづけ
耳元みみもとに囁ささやく
吐息といきまじりの呪文じゅもん

「君きみの声こえを聞きかせて」
響ひびき始はじめた音楽おんがく(music)
枕元まくらもとの灯あかりが
スポットライトに変かわる

あの娘むすめは初はじめて 魔術師マジシャンと唄うたう
蕩とろけそうな愛あいの旋律メロディー
今宵限こよいかぎりの 歌劇オペラは幻想げんそう(illusion)
奇跡きせきみたいな響ひびきのファンタジー

繋つないだ手て 眠ねむれぬ夜よる
届とどかない愛あいの詩し
こぼれそうな涙なみだを
隠かくして舞台ステージを去さる

解わかっているのよ 台本シナリオどおり
これは悲かなしい物語ストーリー
愛あいして愛あいして愛あいして愛あいして
愛あいされるわけもないのに"

あの娘むすめは魔法まほうの楽譜スコアに抱だかれ
魔術師マジシャンはそれに火ひを放はなつ
息絶いきたえた旋律メロディー 幻まぼろしの終曲フィナーレ
朝焼あさやけに融とけてゆく歌劇場オペラハウス