Soldier～父の肖像 歌詞 森山良子 ふりがな付

茶色ちゃいろにくすんだ 時代じだいを生いきた
兵隊へいたい姿すがたの 父ちちの写真しゃしんは
今いまの私わたしよりも ずっと若わかくて
悲かなしいくらいに 凛々りりしい瞳ひとみ

Soldier それはあなたの青春せいしゅんの姿すがた
Soldier 私わたしの知しらない孤独こどくな心こころ
Soldier 小ちいさな歴史れきしを胸むねに抱だいて
Soldier 寒さむい冬ふゆの朝あさに 遠とおく旅立たびだった

小ちいさいころには よく聞きかされた
大陸たいりくのことや 戦友せんゆうのこと
くどすぎる話はなしに もうやめてよと
いつしかなんにも 話はなさなくなって

Soldier 大切たいせつなものを守まもりぬくため
Soldier あふれる力ちからを惜おしみもせずに
Soldier 握にぎりつぶした若わかいころの夢ゆめ
Soldier 白しろいベッドの上うえ そっと旅立たびだった

枯かれた指先ゆびさきを 私わたしにあずけ
最後さいごまで涙なみだ 見みせないままで
頑固がんこさの裏うらに秘ひめたやさしさ
不器用ぶきような父ちちと私わたしの絆きずな

Soldier 今いまならもっとわかりあえたはず
Soldier 淋さびしい想おもいをこぼすことなく
Soldier 小ちいさな歴史れきしを胸むねに抱だいて
Soldier 寒さむい冬ふゆの朝あさに ひとり旅たび立たった

あなたと過すごした日ひが
この胸むねに満みちてくる
淡あわい面影おもかげつれて