通とおりの庭にわに植うえられた
低ひくい梅うめの木きが
遅おそい秋あきの夕暮ゆうぐれに
とがった影かげを落おとしている
一枚いちまいの葉はもないこの木きが
僕ぼくにくれるのは
まだ寒さむい春はるに必かならず
白しろい花はなを付つける確たしかさ
自分じぶんでも気きがつかない
ちいさな苛立いらだちを積つみ重かさね
くたびれたぼくにキンモクセイが
遠とおくを見みろと教おしえる
たまには帰かえろうか あの町まちに
花火はなびもススキも僕ぼくより
背せが高たかかった あの町まちに
心こころをうずめに帰かえろうか
坂さかを上のぼりきって振ふり返かえると
沈しずむ夕焼ゆうやけが
総すべてを等ひとしく浸ひたしていた
時ときには振ふり返かえるのもいい
たばこ屋やの古ふるい公衆こうしゅう電話でんわ
10円玉えんだまが落おちていく音おとを
気きにされながら励はげます声こえ
目めを見みながら話はなしたくて
たまには帰かえろうか あの町まちに
ツバメも星空ほしぞらも僕ぼくより
背せが高たかかった あの町まちに
心こころをうずめに帰かえろうか
信しんじますから信しんじて下くださいと
喉元のどもとにナイフを突つきつけるような
話はなし方かたしか 人ひとは
出来できないのだろうかと
あきらめる前まえに
たまには帰かえろうか あの町まちに
花火はなびもススキも僕ぼくより
背せが高たかかった あの町まちに
心こころをうずめに帰かえろうか
心こころをうずめに帰かえろうか
通tooりのrino庭niwaにni植uえられたerareta
低hikuいi梅umeのno木kiがga
遅osoいi秋akiのno夕暮yuuguれにreni
とがったtogatta影kageをwo落oとしているtoshiteiru
一枚ichimaiのno葉haもないこのmonaikono木kiがga
僕bokuにくれるのはnikurerunoha
まだmada寒samuいi春haruにni必kanaraずzu
白shiroいi花hanaをwo付tsuけるkeru確tashiかさkasa
自分jibunでもdemo気kiがつかないgatsukanai
ちいさなchiisana苛立iradaちをchiwo積tsuみmi重kasaねne
くたびれたぼくにkutabiretabokuniキンモクセイkinmokuseiがga
遠tooくをkuwo見miろとroto教oshiえるeru
たまにはtamaniha帰kaeろうかrouka あのano町machiにni
花火hanabiもmoススキsusukiもmo僕bokuよりyori
背seがga高takaかったkatta あのano町machiにni
心kokoroをうずめにwouzumeni帰kaeろうかrouka
坂sakaをwo上noboりきってrikitte振fuりri返kaeるとruto
沈shizuむmu夕焼yuuyaけがkega
総subeてをtewo等hitoしくshiku浸hitaしていたshiteita
時tokiにはniha振fuりri返kaeるのもいいrunomoii
たばこtabako屋yaのno古furuいi公衆kousyuu電話denwa
10円玉endamaがga落oちていくchiteiku音otoをwo
気kiにされながらnisarenagara励hageますmasu声koe
目meをwo見miながらnagara話hanaしたくてshitakute
たまにはtamaniha帰kaeろうかrouka あのano町machiにni
ツバメtsubameもmo星空hoshizoraもmo僕bokuよりyori
背seがga高takaかったkatta あのano町machiにni
心kokoroをうずめにwouzumeni帰kaeろうかrouka
信shinじますからjimasukara信shinじてjite下kudaさいとsaito
喉元nodomotoにniナイフnaifuをwo突tsuきつけるようなkitsukeruyouna
話hanaしshi方kataしかshika 人hitoはha
出来dekiないのだろうかとnainodaroukato
あきらめるakirameru前maeにni
たまにはtamaniha帰kaeろうかrouka あのano町machiにni
花火hanabiもmoススキsusukiもmo僕bokuよりyori
背seがga高takaかったkatta あのano町machiにni
心kokoroをうずめにwouzumeni帰kaeろうかrouka
心kokoroをうずめにwouzumeni帰kaeろうかrouka